まるごと体感「徳島堰」ツアー
開催日時:令和2年11月21日(土)午前8時30分集合出発/午後3時解散
都市計画課では景観啓発活動の一環として景観まちあるき事業を行っています。
昨年度に開催した「御勅使川歴史・景観さんぽ」に引き続き、今年度も共催という形で参加しました。
「開削350周年まるごと体感!徳島堰ツアー」はその名のとおり韮崎市から南アルプス市を流れる全長17キロの徳島堰を巡るツアー。
現在も市の基幹産業である果樹畑や水田を潤し、恩恵を与え続けてくれている「徳島堰」を巡りながら南アルプス・韮崎両市の教育委員会職員がその歴史や仕組みを解説、そして都市計画課からはそれら史跡を歴史的景観としての視点で説明し山梨県の景観の特徴や魅力を感じていただこうというのが開催の目的です。
【参加者募集チラシ】⇒
本年度は、コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、マスク着用はもとより体温測定や消毒、ソーシャルディスタンスを図りながらの解説・説明と、対策を講じての開催となりました。
取水口~秋晴れの田園風景を巡る
少し風は強いものの、天気は快晴。南アルプス市内外から34名の参加をいただき、韮崎市にある徳島堰の取水口から南アルプス市飯野新田まで続く17キロをバスと徒歩で巡りました。
まずはバスで移動し韮崎市へ。釜無川から徳島堰へ取水する頭首工の施設見学からスタート。徳島堰土地改良区の方々から説明を受けました。この施設は通常立ち入れる場所ではなく、また、大量の水が堰へ流れる貴重な光景でした。
【徳島堰のはじまりを上から見学する】 【取水の仕組みなどの説明を受ける参加者】
続いて韮崎市清哲会館にバスで移動し、散策スタート。
山から流れ下る沢の上を徳島堰が暗きょでくぐる場所を見学。恐らく当時は難工事であったと想像すると、違った景観に見えてきます。また、敷き詰められた落ち葉と竹林の横を徳島堰が音もなくゆっくりと流れていく様は、しばし時を忘れて眺めていたくなるような心地よさでした。
【散策する参加者のみなさん~いい天気!】 【笹舟を落として流れてくるかな?】
【趣のある竹林と徳島堰の景観】 【職員の解説に聞き入る参加者のみなさん】
良い景観とは何だろう? ~景観について考えよう~
南アルプス市の御勅使南公園でのお昼休憩をはさんで後半の南アルプス市に入ります。
まず初めに参加者の皆さんに次のチラシをお配りして、身近な景観について考えていただきました。
山梨県民なら普段見慣れているごく当たり前の風景でも他県の人から見れば新鮮に映るもの。山梨県といえば富士山や盆地に囲まれた自然と四季折々の田園や果樹園の風景が印象的です。
春には桃やサクランボの花が咲き夏の青空に秋の紅葉、そして冬の雪を冠した富士山。そんな地域の主役を人は見たいと感じるのではないでしょうか。
⇩見たいものが邪魔されずに見えますか?⇩
あなたにもできる身近な景観づくり
南アルプス市花壇・生け垣推進に関する補助金交付制度のご紹介
道路沿いに花壇や生け垣があるまちなみは住み人にはもちろんのこと、そこを通る人にも潤いと安らぎを与えてくれます。
南アルプス市では自宅敷地の公道に面した部分に花壇等を新設する方に対して補助金を交付しています。
※補助金の交付には要件があります。詳しい内容はこちらからご確認ください。
桝形堤防~貯水池~有野地区桜並木~終点
続いて向かったのが歩いて3分ほどのところにある桝形堤防。徳島堰から取り入れた水を南アルプス市六科方面の水田へつなぐ取水口を守るのがこの小さな将棋頭の形をした桝形堤防の役割でした。貯水池では地元のCATVさんも撮影にいらしていただきました。
【今まさに発掘途中の史跡を、教育委員会職員の解説付きで見学】 【畑かん調整池の見学】
全長17キロのツアーもあと少し。南アルプス市有野の徳島堰桜並木の景観を愛でながら、地域の語り部さんに昔の徳島堰の風景と今なお残る当時の面影を思い出話と一緒にしていただきました。
文化財課の職員による堤防の歴史講座に加え、地域の語り部さんによる思い出話に参加者は聞き入っていました。
【地域の語り部さんによる徳島堰の説明に聞き入る参加者】 【堰建設当時の石垣がまだ残っている個所を見学】
【有野地区の徳島桜並木】 【徳島堰の終点 その名も堰尻川(せきじりがわ)】
終わりに
コロナ禍で行われた徳島堰ツアー。参加者のマスク着用はもちろんのこと、体温測定や消毒並びにバスの人数制限や座席位置など、工夫をしての開催でした。参加者皆様のご協力のもと、特に大きなトラブルもなく終了することができました。
イベント終了後のアンケートでは、全員の方から、イベント内容が「とても良い」と「良い」との回答をいただきました。また、自由意見として「韮崎側(田園)と南アルプス側(果樹園)の違いが楽しかった」、「徳島堰の意味を知ったうえで眺めた景観に意味があった」、「近くに住んでいますが、勉強になりました」など、好意的な意見をいただきました。皆様のご意見を参考に、次回の事業への生かしていきたいと思います。