がん検診を受ける前に
日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなっています。
胃がん・肺がん・大腸がん・子宮頸がん・乳がん検診は「死亡率を減少させることができることが科学的に証明された」有効ながん検診です。
すべての検診にはメリットとデメリットがあります。がん検診を正しく理解し、早期発見、治療で大切な命を守るために、定期的に検診を受診し、「異常あり」という結果を受け取った場合には必ず精密検査を受けるようにしてください。
市町村で行うがん検診~がん検診の流れ~
がん検診は症状のない人を対象としているため、自覚症状があったり、経過観察が必要な場合は検診ではなく医療機関を受診しましょう。
がん検診は「がんの疑いあり(要精検)」か「がんの疑いなし(精検不要)」かを調べ、「要精検」の場合には精密検査を受け、「がんがある」「がんがない」ということが判明するまでのすべての過程を指します。
がん検診のメリット・デメリット
メリット
- 検診を受けることでがんによる死亡のリスクが減少します。
- 定期的に受診することで、早期発見でき、早期治療につながります。
- 早期発見するこで治療に対する身体的・経済的負担が軽く済みます。
デメリット
- がんではないのに、「要精密検査」と判定されたり、すぐに治療の必要のないがんが見つかったために、不要な治療を受けなければならない場合もあります。
- 検診ですべてのがんが見つかるわけではありません。がんは発生してから一定の大きさになるまでは発見できず、「疑いなし」と判定される場合があります。
がん検診を待たずに医療機関を受診するべき自覚症状
部位 |
自覚症状 |
胃 | 胃の痛み、不快感、食欲不振、食事がつかえる など |
肺 | 血痰、長引く咳、胸痛、声のかれ、息切れ など |
大腸 | 血便、腹痛、便の性状や回数の変化 など |
子宮頸 | 月経(生理)以外に出血がある、閉経したのに出血がある、月経が不規則 など |
乳 | しこり、乳房のひきつれ、乳頭から血性の液がでる、乳頭の湿疹やただれ など |
科学的根拠に基づくがん検診と精密検査
科学的根拠に基づくがん検診
市でがん検診を実施する目的は、市民のがんによる死亡率を下げることです。国から、「死亡率減少効果が確認され科学的根拠に基づくがん検診」として、次のように示されています。
項目 |
胃がん検診 |
肺がん検診 | 大腸がん検診 | 子宮頸がん検診 | 乳がん検診 | ||
方法(※1) | 胃部エックス線 | 胃部内視鏡 | 胸部エックス線 | 喀痰細胞診 | 便潜血検査 | 視診・頸部細胞診・内診 | マンモグラフィ |
対象 | 40歳以上 | 50歳以上 | 40歳以上 |
50歳以上 |
40歳以上 | 20歳以上 | 40歳以上 |
受診間隔 | 1年に1回 | 2年に1回 | 1年に1回 | 1年に1回 | 1年に1回 | 2年に1回 | 2年に1回 |
※1いずれも「問診」を含む
※2「喫煙指数」は、1日あたりの喫煙本数に喫煙年数を乗じて「喫煙本数×喫煙年数」算出されます。(過去の喫煙歴も含みます)
精密検査について
がん検診の精密検査は、部位によって適切な精密検査の方法があります。医療機関を受診し、医師の指示により適切な精密検査を受けましょう。
がん検診の種類 | 精密検査の方法 |
胃がん | 胃内視鏡検査(胃カメラ) など |
肺がん | 肺CT検査、気管支鏡検査 など |
大腸がん | 大腸内視鏡検査、注腸エックス線検査 など |
子宮頸がん | コルポスコープ下の組織診や細胞診、HPV検査 など |
乳がん | マンモグラフィ、超音波検査、穿刺吸引細胞診や針生検 など |
関係機関ホームページ
国立がん研究センター