たばこの煙には、200種類の有害物質が含まれ、その内70種類以上が発がん性物質です。また、副流煙(火のついたたばこの煙)は、主流煙(喫煙者の吸う煙)よりも有害です。受動喫煙によってリスクが高まる病気として、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)が明らかになっています。
健康増進法の一部が改正され、受動喫煙対策が強化されました。
このような背景から、改正前の健康増進法では、多数の者が利用する施設の管理者に対して、望まない受動喫煙を防止するために必要な措置を講じることを努力義務として課していましたが、受動喫煙対策をより一層強化するため、平成30年7月25日に「健康増進法の一部を改正する法律」が公布されました。令和2年4月1日から全面施行されています。
改正法の趣旨は以下の3点です。
・望まない受動喫煙をなくすこと
・受動喫煙による健康影響が大きい子どもや患者等に特に配慮すること
・施設の類型・場所ごとに対策を実施すること
今回の改正は、望まない受動喫煙の防止を図るため、特に健康影響が大きい子ども、持病をお持ちの方等に配慮し、多くの方が利用する施設の区分に応じ、施設の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、管理者の方が講ずべき措置等について定めたものです。
今回の改正により、2019年1月24日から、望まない受動喫煙を生じさせないように周囲に配慮する義務が、喫煙者に課せられました。また、2019年7月1日からは、病院、行政機関、学校、児童福祉施設等の敷地内で、2020年4月1日からは飲食店や事業所他多数の方が集まる施設の屋内での喫煙が原則できません。
2人以上が出入りする施設の 多くが原則屋内禁煙に |
20歳未満の方(従業員を含む) は喫煙エリアへは立入禁止に |
屋内での喫煙には喫煙室 の設置が必要に |
喫煙室を設置している施設は、 標識掲示が義務付けに |
厚生労働省啓発ツール「みんなでなくそう。#望まない受動喫煙」
たばこを吸う方へ
決められた場所以外では、禁煙をお願いします。また、屋外や家庭など、喫煙が禁じられていない場所でたばこ(加熱式たばこむ含む)を吸うときも、まわりの人に煙を吸わせないように配慮をお願いします。
三次喫煙(サードハンド・スモーク)にも要注意!
残留受動喫煙とも呼ばれ、たばこの先からでる煙以外に、たばこを吸った人が吐き出す息や髪の毛、衣服、部屋の壁紙、カーテン、カーペットなどに付着し、残留した有害物質を吸い込むことをいいます。新しい概念ですが、注意が必要です。
禁煙治療(禁煙外来)について
禁煙をしたけどできなかった。禁煙ができたのは意志が強いからと考えている方もいるかと思いますが、禁煙ができないのは意志の問題ではなく、「ニコチン依存症」という病気だからです。禁煙は医療機関で治療として行うことができます。また、一定の条件※を満たせば保険治療も可能です。
次のリンクから「禁煙外来」を設けている医療機関が確認できます。
「禁煙治療に保険が使える医療機関」(日本禁煙学会HP)
※保険適用されるには以下の基準をすべて満たすことが必要です。
- ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で5点以上、ニコチン依存症と診断された方
- 35歳以上の場合、喫煙指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方
- 直ちに禁煙することを希望されている方
- 「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意された方
ニコチン依存症にかかるスクリーニングテスト(TDS)について(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)
関係機関ホームページ
「健康増進法の一部を改正する法律」についての詳細は以下の関係機関ホームページにてご確認ください。
山梨県ホームページ:受動喫煙対策(健康増進法の改正により受動喫煙対策が強化されます)