自然と文化が調和した幸せ創造都市 南アルプス
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名取春仙展

開館25周年記念「生誕130周年 名取春仙展」
2016年10月8日(土曜日)~11月27日(日曜日)

生誕130周年、名取春仙展の広報画像

 

明治から昭和にかけて活躍し、最後の役者浮世絵師と言われる名取春仙が、1886(明治19)年にこの世に生を受けてから今年で130年の時がたちました。
南アルプス市立美術館では、これを記念して開館25周年記念「生誕130周年 名取春仙展」を開催いたします。
名取春仙は、山梨県中巨摩郡明穂村(現・南アルプス市小笠原)に、名取市四郎・みちの五男として生まれました。11歳の頃より日本画を習いはじめ、綾岡有真・久保田米僊・平福百穂らに師事し、日本美術院展、帝国美術院展などに出品し、日本画家として創作活動を行う一方、夏目漱石・島崎藤村・泉鏡花などの新聞小説の挿絵や、石川啄木・谷崎潤一郎らの文芸本の装幀口絵を手がけ名を広めました。また演劇界との結びつき深く、役者似顔絵を描き、版元・渡邊庄三郎のもと、多くの役者絵版画を手がけ好評を博しました。
今展では、生誕130年の記念展に合わせ、版画では、代表作でもある初期版画2点の他、渡邊庄三郎のもとで手がけた『創作版画春仙似顔集』『新版舞台之姿絵』のシリーズなどを紹介し、肉筆画では《再挙》《南洋探検》《春興鏡獅子図》などの大作の数々を展示いたします。また挿絵等出版関係では『日本の神様』や『織田信長』の挿絵原画の他、東京朝日新聞の小説挿絵の切抜きや挿絵自著・装幀口絵を手がけた文芸本等を展示いたします。
会期中には、美術講演会や渡邊木版美術画舗の摺師による木版画摺りの実演などのワークショップも開催し、展覧会に華を添えていただきます。
この機会に是非美術館に足をお運びいただき、春仙芸術の真髄をお楽しみください。

美術講演会「浮世絵ルネッサンス=大正新版画」

講師:渡邊章一郎(渡邊木版美術画舗 代表取締役)
日時:10月15日(土曜日)午後2時~
場所:南アルプス市立美術館会議室
参加料:美術館入館料に含みます

伝統木版画摺りの実演

講師:渡邊章一郎(渡邊木版美術画舗 代表取締役) 林 勇介(渡邊木版美術画舗 摺師)
日時:10月30日(日曜日)午前10時30分~/午後1時30分~
場所:南アルプス市立美術館ロビー
参加料:美術館入館料に含みます

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大正ロマン昭和モダン展

大正ロマン昭和モダン展の広報画像

南アルプス市立春仙美術館では、秋の特別企画として「大正ロマン昭和モダン展―竹久夢二 高畠華宵とその時代―」を開催いたします。
大正から昭和初期にかけての30年間は、日本文化と西洋文化が交じり合い、明治の日本には見られなかった新しい大衆文化が花開いた時代です。叙情的な女性像で一世を風靡した竹久夢二に続き、高畠華宵や蕗谷虹児など、甘美な少女像や少年像など独自の作風を展開して、大正の大衆芸術を担いました。
また、昭和に入ると、岩田専太郎、中原淳一ら挿絵画家が活躍し、加えて日本画や洋画、新版画、創作版画の作家たちも新たな活動を見せるようになります。
本展では、竹久夢二・高畠華宵を中心に、蕗谷虹児、岩田専太郎、中原淳一、鏑木清方、伊東深水、橋口五葉など大正から昭和にかけて活躍した画家たちの日本画、版画、挿絵原画、絵葉書、楽譜、装丁本などを展示します。

 

美術講演会「大正昭和の大衆芸術 夢二・華宵らの時代」

日時:2015年10月17日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
講師:中右瑛(洋画家・美術評論家)

ふろしきアレンジ講座

日時:2015年10月24日(土曜日)午後1時30分~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
講師:淡路美香

つまみ細工で作る髪飾り

日時:2015年10月31日(土曜日)午後1時30分~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
講師:飯島薫

大正ロマンコンサート

日時:2015年11月7日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館ロビー
出演:東京大衆歌謡楽団

平日は「着物デー」着物を着て美術館に行こう

着物でご来館いただいた方は展覧会会期中の平日に限り、入館料が無料になります。

ミニカフェー開店

展覧会会期中の土日に春仙美術館ロビーで、冷やしコーヒーとお菓子をサービスします。

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竹田鎭三郎 在メキシコ50年記念展

竹田鎭三郎と知己を得たのは、版画家・深沢幸雄氏の紹介によります。なぜか旧知の仲であるような、心許せる人格を知りました。
彼の作品は多くの変遷を経てきましたが、主としてメキシコ文化の中にある土俗性にみられる生命力に溢れている作品といえます。メキシコの文化の中にありながら、日本人としての繊細な感性により生命力を昇華させています。
はちきれる「女」の生命力は、画面を圧する描写で表現し、女は大地を思わせる作品にも土俗的な臭みを感じさせないほど洗練された作品となっていて、竹田氏の内に秘められた透明な色彩感覚と卓越した構成力に強く引きつけられます。
竹田鎭三郎氏は、1935(昭和10)年に愛知県瀬戸市に生まれ、1957(同32)年に東京芸術大学油画科を卒業、第1回東京国際版画ジャーナル賞展に入選するなど版画家としてのスタートを切っています。1963(同38)年にメキシコに渡航、グアテマラ市におけるメキシコ青年版画展において第1席を受賞するなど、早くもメキシコにその足跡を示し、その後も同国内外の各展で数々の受賞に輝き、1980(同55)年メキシコ・オアハカ州立自治大学芸術学校美術学部長に就任するなど、自己の制作活動以外にもメキシコに根を下ろした存在となり指導者としても格別の成果を残してきました。
改めて彼の作品に戻ってみると、原初の人間の生命のうたはメキシコ絵画の枠をとらえ、ゴーギャンがタヒチで得た霊威に似た女性像を生命の根源として描写し、生命の讃歌として昇華させています。竹田氏の女は大地の表現そのものであり、生命を育む圧倒的な力を秘めています。単なる圧力ではなく色彩のアラベスクは華美にとどまらず奥へ奥へと深みを増し続けていきます。竹田氏のメキシコまたは日本における活躍は両国における彼への顕彰をみてもあきらかであり、在50年における竹田芸術の総決算となる今展を開催できることは当館としての誇りでもあり大きな喜びでもあります。
今展開催にあたり、貴重な作品群の出品をご了承くださった竹田氏及び関係者の方々に心から感謝申し上げます。

美術対談「竹田鎭三郎とメキシコ」

日時:2014年10月25日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
講師:竹田鎭三郎 向山富士雄

木彫りの人形「アレブリヘ」に色を塗ろう

日時:2014年10月26日(日曜日)午前10時~/午後1時30分~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
講師:竹田鎭三郎

メキシコのくす玉「ピニャータ」作りに挑戦

日時:2014年11月1日(土曜日)午後1時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室

世界無形文化遺産のメキシコ料理を作ってみよう

日時:2014年11月8日(土曜日)午前9時30分~
会場:南アルプス市健康福祉センター
講師:タコドール・羽田成希

メキシコの切り紙「パペルピカド」を作ろう

日時:2014年11月15日(土曜日)午後1時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
講師:内藤敏幸

キュートで可愛いメキシコ刺繍に挑戦してみよう

日時:2014年11月22日(土曜日)午後1時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
講師:渡辺百合子 登坂好江

フェスタ・メヒコ

日時:2014年11月23日(日曜日)午前10時~午後3時
会場:南アルプス市立春仙美術館
内容:メキシコの歌と踊り、ピニャータ割大会、大抽選会、食の体験ゾーン、メキシコのグッズ販売、各種ワークショップ、とん汁サービスなど

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2013 ぶどうの国の版画展

2013、ぶどうの国の版画展の広報画像

本展では、山梨県出身または在住の版画家21名の作品を展示します。言うまでもなく、萩原英雄、深沢幸雄両先生は、版表現の幅を格段に拡げ、現代版画の新たな可能性を世界に提示してきました。そして、今日の多様化した美術の中において、版画の表現領域もますます拡大してきています。従来の木版画、銅版画、リトグラフ、シルクスクリーンなどをはじめとするさまざまな複製メディア表現もすでに版画の範疇として認知されはじめました。その一方で、絵画に拮抗しようとするのではなく、版画本来の印刷美術としての触覚的な美しさを追求する作品や、手に取って観るという楽しみ方も改めて見直されてきています。
21名の個性豊かな作家による今回の展覧会が、そのような版画の魅力を十分に堪能していただける機会となればこの上ない幸いです。

 

「ぶどうの国の版画展」実行委員長 遠藤竜太

萩原英雄の世界展

萩原英雄の世界展の広報画像

南アルプス市立春仙美術館は、版画界の巨匠・萩原英雄の没後、ご遺族のご好意により、その全貌を観ることのできる貴重な作品群の寄贈を受けました。
ご寄贈いただいた作品群は、版画・油彩・水彩・書・コラージュ・素描など、非常に多岐にわたり、その数は500点余りにも及びます。
これを記念し、平成25年10月5日(土曜日)~11月24日(日曜日)まで、生誕100年記念 巨匠のマグマを観る「萩原英雄の世界」展を開催する運びとなりました。
萩原は単に版画家と呼ばれることを好みませんでした。まさに萩原の世界は、版画と一言でジャンルを特定するにはあまりに多彩であり、美術家と称するのが正しいと思えます。
萩原英雄は1913(大正2)年、甲府市相川町に生まれ、父の仕事の関係から各地を転住しました。版画への道は年賀状の木版画が出発点といいますが、それは単なる話題であり、萩原自体が秘めるマグマの一瞬の表れであって、庶民と一緒には考えられません。
萩原の美術家としての出発は意外に遅く、30歳を過ぎてからでした。しかしながら美術界での評価は高く、たちまち一流の芸術家としての位置を築いていきました。代表作である、シリーズ・三十六富士も北斎に劣らぬ秀作ぞろいで、感動的な富士版画といえます。
この企画展に出陳される作品群には、萩原の代表作といえる作品群に内蔵される原点ともいえる作品が多く、非常に興味深いもので、巨匠の遺産ともいえます。この企画展が多大な寄贈作品により構成できることは、寄贈を決断されたご遺族のご好意そのものであり、心から感謝申し上げ、多くの方々に巨匠の秘めたマグマを鑑賞いただけることを願うものであります。

 

美術講演会「萩原英雄の芸術」

日時:2013年10月12日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
講師:向山富士雄(山梨県立美術館学芸幹)

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南アルプスミニチュア版画展

南アルプスミニチュア版画展の広報画像

第28回国民文化祭・やまなし2013が「文化の風とあそぶ みつめる・こえる・つなげる」のキャッチフレーズで年間を通して開催されます。
南アルプス市も主催事業として「南アルプスミニチュア版画展」が“人間と自然のふれ合い”を主題として開催されることが決定いたしました。
近年における版画展に目をやれば、版という定義も拡大し作品も大型化する傾向にあり、当初応募作品の展示について当館で展示可能であるか不安視されましたが、紙の大きさをA4版とすれば、展示方法によっては版画展が可能であろうと結論づけ、ミニチュア版画に限定するということにたどり着きました。
どの程度の応募作品があるか不安ではありましたが、結果的には200点を超えほっと安堵いたしました。
応募作品の半数に及ぶ100点程度が受賞作及び入選作となれば、第一回ミニチュア版画展として何とか鑑賞に耐えられるだろうと納得していましたが、作品審査の当日、並べられた応募作品を見て、全体的なレベルの高さに一同驚きました。初心者など応募作品に見当たらず、どれも相当の実績を持ったすでに版画家といえる専門的な作品が多く、審査員一同おーっと声を上げる始末でありました。
当初審査も順調に進行すると思いましたが、作品レベルの高さから逆に難航することになりました。入賞作品は何とか選出されましたが、入選作品の選考に至っては、約100点を目標に審査が行われましたが、その点数では多くの実力者さえ落選ということになることが判明し、多くの審査員からせめて入選作品数に幅を持たせるよう希望が出され了承され、その結果、応募作品の半数を超える入選数となりました。大変素晴らしい作品の数々を目の当たりにし、今後このミニチュア版画展が継続的に実施可能かについて検討したいと思っております。
国民文化祭を機会に日本的な版画展の出発となれば実行者としてはまことに喜ばしいことと出品者をはじめ、関係各位に対して心からお礼を申し上げます。

 

版画の実技講座

木版画

日時:2012年7月14日(日曜日)午前10時~午前11時30分/午後1時30分~午後3時
会場:春仙美術館ロビー
講師:河内成幸

銅版画

日時:2012年7月20日(土曜日)午前10時~午前11時30分/午後1時30分~午後3時
会場:春仙美術館ロビー
講師:齊藤武士

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安野光雅の世界展

安野光雅の世界展の広報画像

南アルプス市立春仙美術館では、平成24年10月6日~11月25日まで秋の特別企画として、「安野光雅の世界展」を開催いたします。
安野光雅は、1926年島根県津和野町に生まれ、美術教員として玉川学園等に勤める傍ら、本の装幀などを手がけていました。1961年画家として独立後、1968年に文章がない絵本『ふしぎなえ』で絵本界に鮮烈にデビューします。以来子ども向けの絵本だけでなく、淡い色調の優しい雰囲気を持つ風景画や歴史を描いた作品など、幅広い分野で世界的に活躍をされています。
その才能の豊かさは、美術だけにとどまらず、科学・数学・文学などに造詣が深く、豊かな知識と想像力から描き出される作品の数々は子どもから大人まで多くの人を魅了してやみません。これまで出版された本は200冊を超え、その業績に対しボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞、国際アンデルセン賞、菊池寛賞など国内外の数多くの賞が贈られています。
今展は、津和野町立安野光雅美術館の全面協力を得て、『スイスの谷』『ヨーロッパの街から村へ』『旅の絵本6(デンマーク編)』『安曇野』からヨーロッパや日本の風景画のほか、安野光雅の代表作であり、楽しく考える絵本として『ABCの本』『あいうえおの本』や『かぞえてみよう』、また『もりのえほん』や『シンデレラ』などの原画まで約80点を展示します。
楽しくて魅力あふれる安野光雅の世界を、この機会にご堪能ください。

 

美術講演会「安野光雅の世界」

日時:2012年10月6日(土曜日)午後2時~
会場:春仙美術館会議室
講師:大矢鞆音(安野光雅美術館館長)

春仙美術館・櫛形図書館合同企画 安野光雅の絵本 おはなし会

日時:2012年10月27日(土曜日)/2012年11月10日(土曜日)午後1時30分~
会場:春仙美術館展示室

ウィリアム・ド・モーガン展

ウィリアム・ド・モーガン展の広報画像

南アルプス市立春仙美術館は、本年開館20周年を迎えました。この記念の年に新しい分野の特別企画として「ウィリアム・ド・モーガン展-暮らしを彩るアート-」を開催いたします。
ウィリアム・ド・モーガン(1839-1917)は、19世紀にイギリスで展開されたアーツ・アンド・クラフツ運動において最も重要な芸術家の一人です。
ロイヤル・アカデミーに学び、当時の装飾美術界をリードしていたウィリアム・モリスと親交をもったド・モーガンは、1872年に陶器やタイルを制作する工房を開設したことをきっかけに一気にその才能を開花させ、タイル史上に残る傑作を世に送りだしました。大手製陶会社による量産型のタイルが普及するなか、手仕事を強調しながら独自の製法を確立し、陶器用の新しい釉薬や絵具を開発しました。特に“ルビー・ラスター”に代表される「ラスター彩」の再現は、後の陶器装飾の分野に大きな影響を与えました。
イスラムの草花文やダイナミックにデフォルメされた動物など、豊かな線と多彩な色彩で表現された彼のタイルは、当時の中産階級に支持され、彼らの住宅を華やかに彩りました。
しかしながら、ド・モーガンはタイル史上に大きな足跡を残しながらも、これまで日本では殆ど紹介されることはありませんでした。
本展ではイギリスのド・モーガン財団の特別協力をうけ、ヴィクトリア朝時代を華やかに彩ったタイルを中心に、皿・壺など、初期から晩年までの作品約150点を展示し、ド・モーガンの仕事の全貌を紹介します。

 

美術講演会

日時:2011年10月15日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
講師:吉村典子(宮城学院女子大学准教授)

ワークショップ ひかる泥んこ玉を作ろう!

日時:2011年11月12日(土曜日)午後1時30分~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室
参加費:400円
定員:20名(小学生対象)

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中辻伸彫刻展

中辻伸彫刻展の広報画像

このたび南アルプス市立春仙美術館では、当市在住の彫刻家中辻伸彫刻展「絆に限りなき宇宙を紡ぐ」を開催することになり、当美術館として初めての彫刻作品の企画展となりました。
中辻伸は1947(昭和22)年川崎市に生まれ、幼少の頃から絵画に才能を発揮し、さまざまな展覧会に入選入賞をしてきました。就職後もアートディレクターとして各地のモニュメントづくりに活躍し、1980年の川崎市美術講座で<彫塑>を受講し、圓鍔勝三、元規両先生の指導を受けてから本格的に彫刻家としての道を歩みました。日展、日彫展を主な活動の場としてきましたが、その作品の根底には日展彫刻としては異色と感じさせる宇宙観を内在する絆を強く意識した作品群を制作し続けています。
今回の彫刻展を機に中辻自身の作品への集大成に向かう今後に注目していきたいところであります。

 

触れる彫刻鑑賞会及び作家によるギャラリートーク

日時:2010年10月23日(土曜日)、11月13日(土曜日)午前10時~午後4時
会場:南アルプス市立春仙美術館企画展示室(企画展観覧券が必要)
講師:中辻 伸

美術講演会

日時:2010年10月30日(土曜日)午後1時30分~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(企画展観覧券が必要)
演題:「私の彫刻」
講師:中辻 伸

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河内成幸展

河内成幸展の広報画像

この度、南アルプス市立春仙美術館では、日本版画会の期待を背負う版画家・河内成幸の木版画による、世界を翔ける版画家「河内成幸」~桂から翔べ北斎までの軌跡~を開催します。
河内成幸は1948年、山梨県上野原町(上野原市)に生まれ、多摩美術大学の油彩科に進学、1973年に卒業しました。在学中からその才能を発揮し、1970年の第38回日本版画協会展では新人賞を受賞しています。卒業後も大学に留まり学生の指導にあたりながら制作に励み、版画界のホープとして早くから注目を浴びるとともに、国内外の優れた賞を受賞しています。木版画は常識的に凸版ですが、彼は自由な動きやスピード感ある表現に必要な凹版を手がけ、量感やスピード感のある作品群は驚異といえます。
今展では初期作品の「桂」から「翔べ北斎」の大作に至る過程を含め、緊張感にあふれる作品群により構成した河内成幸の木版世界となっています。日本版画界のスターであり、山梨が誇り得る河内成幸の木版画を堪能されることを期待しています。なお、河内成幸の木版画以外の作品については今展から除外されています。

 

美術講演会

日時:2009年10月31日(土曜日)午後1時30分~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(企画展観覧券が必要)
演題:「私の木版画」
講師:河内成幸

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池田満寿夫 知られざる全貌展

池田満寿夫、知られざる全貌展の広報画像

池田満寿夫―天才の無垢なる世界を実感させるこの作家は、版画・陶・書それぞれに、キラキラ輝く才能を発揮し、生前に個人美術館が建てられるなど、多くの人たちに愛され続けながら早逝しました。池田は1984年頃から陶芸に没頭し、山梨県南巨摩郡増穂町(現・富士川町)に満寿夫八方窯を築いてエネルギッシュに作陶し、3000点以上もの作品を遺しました。当南アルプス市民にも多くのファンをみることができます。特に陶芸作品の代表作でもある《般若心経》シリーズの広がりは、自らの生命を削るがごとき深い精神性に裏付けされ、才能などと表現することのできない、池田と創造の神とが合体したごとき作品で、恐れ入る以外に言葉もありません。
本展は、20世紀後半の日本を自由奔放に駆け抜けていった、池田満寿夫の多岐に亘る制作活動を紹介しながら、その全貌に迫るものとなります。池田満寿夫が亡くなって以来、心に描いていた展覧会が実現できることを心から嬉しく思います。稀にみる天才を感じつつ、今企画展関係者の方々に心からお礼を申し上げます。

 

ミュージアムコンサート

日時:2008年10月25日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館企画展示室(企画展観覧券が必要)
内容:「佐藤陽子トーク&ミニコンサート」
出演:佐藤陽子

美術講演会

日時:2008年11月15日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(企画展観覧券が必要)
演題:「池田満寿夫と増穂登り窯」
講師:太田治孝(増穂登り窯主宰)

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中国現代美術の域展

中国現代美術の域展の広報画像

2008年8月、スポーツの祭典オリンピックが中国北京で開催されます。スポーツを通じて交流が果たされ、世界が平和であれと願います。この北京五輪を記念して、南アルプス市立春仙美術館では、文化の金メダル「中国現代美術の域」展を開催いたします。
中国美術は今や世界的に注目されていますが、日本においてはほとんど情報も得がたく、中国洋画の現代像は未知の世界であります。この度の企画展では水彩画の巨匠古元の澄みきった作品から油彩作品の実力者を中心にまとめたもので、母なる黄河を精神的背景とする王兆中の大作群をはじめ、懐の深い風景画に美しさを見事に表現した洪陵、幻想的な画風で美しい曹力、描写力に才能を表わす馮慶など、あらためて中国現代洋画を認識させられる内容となっています。この企画は中国美術の収集で名高い、広島県福山市の中川美術館のご協力を得て開催できることとなりました。今展は中国現代美術を知る上で絶好の機会となる企画となっています。今展開催にあたり、確かな審美眼による作品群の出陳をご了承下さった、中川美術館館長中川健造先生の、特別なご配慮にお礼を申し上げるとともに、共催後援をいただいた関係者の方々に感謝し、北京オリンピックの大成功を願うところであります。

 

美術講演会

日時:2008年7月26日(土曜日)正午~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「中国現代美術の域」
講師:中川健造(中川美術館館長)

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川﨑小虎とその周辺展

川﨑小虎とその周辺展の広報画像

南アルプス市立春仙美術館では、この度、川﨑小虎生誕120年を記念して、川﨑家にみる奇蹟の画人列伝「川﨑小虎とその周辺展」~祖父千虎、長男鈴彦、次男春彦、娘婿東山魁夷、長女すみ、孫川﨑麻児など川﨑ファミリー大集合~と題し、川﨑小虎ファミリーの画業を一覧する企画展を開催いたします。
川﨑小虎は、1886(明治19)年に岐阜県に生まれ、第二次世界大戦中に山梨県中巨摩郡落合村(現・南アルプス市)に疎開し、地域と親しく交流しました。長男鈴彦、次男春彦も含め、近隣のスケッチを多く残し、長女すみ(澄子)の嫁いだ東山魁夷一家も一時期落合村に滞在するなど、当市に深い関わりがあります。また、それぞれ日本を代表する日本画家として活躍しています。
小虎の祖父千虎から孫麻児に至る、小虎を中心とする川﨑家の驚くべき画人列伝をまとめる本展は、小虎の未発表作品群を中心に、落合村周辺のスケッチや、祖父千虎の作品、鈴彦、春彦の写生作品、東山魁夷とともに同夫人すみの作品や麻児の作品など、他の企画では実現できない小虎周辺を一堂に開陳する興味深いものとなります。本展開催にあたり貴重な作品群の出品をご承知くださった川﨑家の方々および関係者の方々に心からお礼を申し上げます。

 

美術講演会

日時:2007年11月24日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「川﨑一家と甲州」
講師:田中晴久(山梨県立美術館学芸第一課長)

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深沢幸雄の全貌展

深沢幸雄の全貌展、春仙の広報画像

深沢幸雄の全貌展、白根の広報画像

この度、南アルプス市立春仙美術館、白根桃源美術館では「深沢幸雄の全貌」展を開催します。
優れた芸術家はあらゆる分野において際限なく自己を表現し続けます。そんな多岐に亘る分野で制作し続ける深沢幸雄先生から当館あてに多くの美術作品をご寄贈いただきました。先生は当市に隣接する増穂町(現・富士川町)出身で、身近な郷土作家といえます。ご寄贈いただいた作品群は、版画、パステル画、書、陶芸作品のほか、新しいガラス絵作品に至る400点余りに及び、今後の美術館活動に大きな力となり得るものとなりました。
先生は東京美術学校(現・東京藝術大学)工芸科彫金部を卒業され、第二次世界大戦中、膝を負傷し、油絵の対策を制作するのに不便なことから版画の世界を目指し、独自の世界を作り上げ、技術書も出版するほど版画界の大きな功績を残されました。また、銅版画を教えるために渡ったメキシコで、メキシコ文化の大きな影響を受け、その後の深沢作品の根幹を成すに至ります。特にメゾチントの対策制作のために製版ロボット「チンタラ一世」を開発し、摺り師として長女暁子さんを得たことにより、1000点を超える多作な作家となりました。さらに、書においても自動墨すり機を手作りして日常的に書に取り組み、これまでのガラス絵を一新する技法で次々に作品を生み出し、熱中する余り体調を崩してしまうほど限りない意欲を見せています。
近年では全国の美術館において深沢幸雄の世界に関する企画展も多く開催され、さらにメキシコにおいても企画展が開かれるなど、多忙を極める中で、当館あてに「深沢幸雄の全貌」を展観し得る多くの作品及びコレクションを寄贈していただき、心からお礼申し上げます。同時に、南アルプス市立春仙美術館・白根桃源美術館において展覧会を開催できることに重ねて感謝の意を表し、多くの方々へこの感動をお伝えできれば幸いです。

 

美術講演会

日時:2007年2月3日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「深沢幸雄の芸術」
講師:向山富士雄(山梨県立美術館学芸第二課長)

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川瀬巴水展

川瀬巴水展の広報画像

川瀬巴水は1883(明治16)年東京都に生まれ、初め家業を継ぐ約束で荒木寛友に師事します。その後、鏑木清方に入門を希望しましたが正式には許可されず、洋画の勉強を進められ白馬会洋画研究所に通う傍ら岡田三郎助の指導を受けました。後に清方に正式に入門を許可されて、「巴水」の画号を与えられ、1912(明治45)年には清方一門と若手画家で結成した巽画会に初めて日本画を出品し、画家としてのデビューを果たします。
その後、同門であった伊東深水の「近江八景」を見て版画への関心を深め、各地に旅行して作品を制作し版画家として認められます。1944(昭和19)年には空襲が激しくなり栃木県塩原に疎開し、戦後は東京に戻り渡邊庄三郎の家作に入ります。40年に亘る版画制作の中で大正時代初期、新版画運動に参加し、画家・彫師・摺師・版元が共同して版画を作り出す伝統的な版画運動の一員として多くの風景版画を生み出しました。1957(昭和32)年、東京にて74歳で逝去。
日本各地を取材して制作された郷愁に満ちた巴水の世界は、まさに風景版画の第一人者としての秀作による展覧会であり、情趣豊かな古き良き日本の風景にあふれています。

 

美術講演会

日時:2006年10月28日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「大正新版画と川瀬巴水の魅力」
講師:渡邊章一郎(渡邊木版美術画舗代表取締役)

朗読会

日時:2006年10月22日(日曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館ロビー(聴講無料)
内容:林望著『夕暮れ巴水』の朗読
朗読:河野 司(朗読・表現「なみの会」代表)

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五彩会回顧展

五彩会回顧展の広報画像

五彩会は1980(昭和55)年、当時山梨美術協会で中心的な活動をしていた五人の作家(手澤宗信・竹田稔・山田耕三・早川二三郎・齊藤静輝)により結成されました。五人はそれぞれ異なる画風で中央での所属会派も別々でしたが、それを超えてグループとして画業の研鎮を積むべく、五つの彩りを持つものとして「五彩会」と命名されました。
第1回展を保坂幹雄氏が経営するギャラリーほさかで開催し、保坂氏の理解により第10回展まで活動は継続されました。平成2年、手澤宗信の死去により五彩会は解散しましたが、メンバーそれぞれが県内最大の美術団体である山梨美術協会の会長、副会長に就任するなど、山梨美術界の発展に尽くし足跡を残した作家たちです。また、それぞれが多くのファンを持ち、ファンにとって今回の回顧展は懐かしく感じられることと思います。メンバーの代表作は山梨県立美術館に収蔵されていますが、一堂に展示される機会はなく、今展はその期待に沿うものでもあります。

 

美術講演会

日時:2005年10月1日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「五彩会の作家たち」
講師:守屋正彦(筑波大学大学院教授)

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香合の美展

香合の美展の広報画像

香合をご存知ですか?香合とはお香を入れる蓋付きの小さな器のことをいいます。香合は茶道具の一つですが、お香を焚くだけの用途に留まらず、形状や意匠に趣向を凝らし、身近にある自然を生かしたモチーフで心を和ませる愛玩具としても親しまれてきました。
1976年、カナダで最も古い歴史を持つモントリオール美術館の収蔵庫から、日本各地で造られた約3,000点もの香合が発見されました。その全てはフランスの元首相ジョルジュ・クレマンソー(1841-1929)が収集したもので、長い間所蔵先が不明になっていたものでした。その後、様々な経緯を経てカナダに渡り、約半世紀後にモントリオール美術館で発見されたことで、その全貌が明らかになったものです。
このコレクションは、江戸時代末期の文化・文政・天保時代(1800~1850年頃)を中心とするもので、京焼・楽焼・染付の他、桃山時代の志野焼・織部焼などを含み、質の高さ、種類の豊富さ、点数においても類のないものです。
本展は、クレマンソーコレクションの中から570点の香合を厳選して紹介するものです。フランスから海を渡り、カナダのモントリオール美術館に収蔵され、長い眠りから覚めた香合が、誕生の地である日本で一堂に展観できる貴重な機会となります。有名窯の陶磁に見る日本のお宝「香合」をお楽しみください。

 

美術講演会

日時:2005年6月25日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「クレマンソーコレクションとの出合い」
講師:蓑 豊(大阪市立美術館館長)

小笠原流煎茶会

日時:2005年6月18日(土曜日)午後2時~午後3時
会場:南アルプス市立春仙美術館ロビー(企画展観覧券が必要)

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鄧林絵画展

鄧林絵画展の広報画像

現代中国絵画界のホープとして世界が注目している女流画家・鄧林は、中華人民共和国の建国に多大な貢献をした最高実力者、故・鄧小平の長女として1941年河北省渉県に生まれ、中央美術学院の中国画学部花鳥科にて季苦禅、郭味蕖に師事し、伝統的な水墨画を学び画家の道を歩み始めました。
鄧林は鋭い芸術的感覚、高い理解力、秀でた観察力を持ち合わせており、絶え間ない芸術的探求を通して独自の風格を創り上げました。1979年、初の外国訪問先は日本。広島県福山市に所在する中川美術館館長中川健造氏と出逢い、お互いの魅力に惹かれ合い展覧会を開催しました。
今展は中川美術館のご協力により同館所蔵の鄧林作品42点を展示します。実力者の娘として波瀾な時代に翻弄され試練を重ねることにより、思想・意思・気質を十分磨き上げられたことで、その画風は新鮮かつ斬新であり、力強く大胆な筆使いの中にも、やさしさや高潔さを感じられる作品ばかりです。
中国数千年の長い歴史と、そこから生まれた新しい中国の息吹きが感じられることと思います。

 

同時開催・特別展示「秦の始皇帝が時空を超えて語りかける 兵馬俑」

美術講演会

日時:2004年10月24日(日曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「中国文化について」
講師:中川健造(中川美術館館長)

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竹久夢二展

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大正ロマンの時代とともに人々に記憶されている竹久夢二(1884-1934)。彼の描く、夢見るような眼差しに憂いを湛えた女性像は「夢二式美人」と呼ばれ、一世を風靡しました。夢二が愛した女、そして夢二を愛した女たちは彼の絵の中に永遠に生き続けています。
本展では、夢二と生前に交流のあった河村幸次郎氏(1901-1994)のコレクションから、夢二の足跡とその全体像に迫ります。特に山梨県中富町出身の彦乃と夢二の姿を彷彿とさせる油彩画の代表作《青春譜》をはじめ、日本画《紅衣扇舞》、水彩画のシリーズ《長崎十二景》《女十題》など、大正ロマンに彩られた女たちの表情を堪能できる作品が多く収蔵されています。また、夢二は新聞の挿絵、装幀、楽譜の装画などを精力的に制作し、イラストレーター、デザイナーとして先駆的な活躍をしました。そして文筆家、詩人としては「宵待草」の詩で知られるなど、実に多彩な分野で多くの作品を発表しています。
本年は、夢二の没後70年、そして生誕120年の節目の年でもあり、単なる画家、詩人の活動に留まらないマルチ的な創作活動を振り返りながら、時代を超えてなお新鮮な夢二の魂の叫びにふれていただきたいと思います。

 

美術講演会

日時:2004年1月24日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「竹久夢二の生涯と芸術、そして山梨のこと」
講師:石川桂子(竹久夢二美術館学芸員)

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深沢幸雄の世界展

深沢幸雄の世界展の広報画像

深沢幸雄は1924(大正13)年、南アルプス市に隣接する増穂町(現・富士川町)に生まれました。櫛形山や南アルプスを背景とした地に育まれた郷土作家であると同時に、日本の版画界の牽引者としても重要な役割を果たし世界的にも高い評価を受け、現在も意欲的に創作活動を行っています。
この度は深沢幸雄の詩情豊かな世界を、版画のみならずその多様な表現を通してご紹介します。とかく日本では専門分野以外の創作は作家の余技として見られがちですが、巨匠ピカソをはじめ、多くの作家は様々な分野で素晴らしい作品を残しています。深沢幸雄もまた版画のみならず、陶芸・ガラス絵・自らの詩をしたためた書など多方面に亘り、余技の域を脱する高い完成度の作品を制作しています。他分野での仕事は新たな発見を生み、その積み重ねが次のステージへと発展します。このような傾向は、特に版画家に顕著にみられ、大変に興味深いことです。
本展では、初期から最近までの版画の代表作60点、陶芸30点、近作のガラス絵20点、そして朗々と歌い上げた自作の詩をあらわした書30点余りを展示します。
一人の版画家を多角的な視点で捉えた画期的な展覧会の構成により、より深く作家の本質に迫り、豊かな想像の世界を心行くまで鑑賞していただけるものと思います。

 

美術講演会

日時:2003年10月18日(土曜日)午後2時~
会場:南アルプス市立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「私の世界」
講師:深沢幸雄

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版画による東京百景

版画による東京百景、東京タワーが描かれている作品の画像

「東京百景」は日本版画協会が20世紀最後にあたり“21世紀へのメッセージ”となり得る仕事として、国際都市TOKYOの情景を10年間かけて100名の作家による100景を完成させたものです。各作家がそれぞれ独自のイメージと個性で捉え、現代版画の技術を駆使した作品です。なかでも山梨出身の作家、萩原英雄の「東京たそがれ」や深沢幸雄の「最高裁の見える風景」ほか斎藤武士、河内成幸、遠藤竜太などの作品も含まれています。この「東京百景」は南アルプス市立春仙美術館協力会より寄贈されたもので、当館の貴重な収蔵作品です。版画を主要なコレクションとする当館の常設企画展として、変化のある版画の楽しさを十分満たした展示となっています。

 

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さよなら くしがた こんにちは 南アルプス 写真展

さよなら、くしがた、こんにちは、南アルプス写真展の広報画像

南アルプス市の誕生を目前に控え、ふるさと「くしがた」の現在を次世代に伝えるメッセージとして、21世紀初頭の櫛形町の姿を写真で展示し、後世に伝えることを目的とした展覧会「さよなら 永遠なるふるさと くしがた」、そして新たに誕生する「南アルプス市」のシンボルとなる南アルプスの雄大な自然の魅力を伝える「こんにちは ふるさとのバックボーン 南アルプス」と題した写真展を開催します。
ふるさとくしがたの写真は、山梨県写真団体連絡協議会の方々をはじめ櫛形町文化協会写真部ほかによる撮影作品約90点を展示し、また南アルプスについては写真家・白籏史朗の悠久なる世界を約50点の作品でご紹介します(会期中展示替があります)。
さらに同時開催として、櫛形町まちの駅にて「懐かしのくしがた写真展」を開催し、昭和30年代後半から40年代前半のくしがたの様子を25点余りの作品で振り返ります。

 

講演会

日時:2003年2月9日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「我がふるさとくしがたのまちづくり―回想」
講師:石川 豊(櫛形町長)

同時開催「懐かしのくしがた写真展」

会期:2003年2月1日(土曜日)~5月25日(日曜日)
会場:櫛形町まちの駅(観覧無料)

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斎藤清版画展

斎藤清版画展の広報画像

斎藤清は、1907(明治40)年福島県に生まれ、画家を志して上京しやがて木版画の制作に打ち込み、1951(昭和26)年には第1回サンパウロ・ビエンナーレで木版画の作品が日本人として初めて在サンパウロ日本人賞を受賞し、日本の現代版画の第一人者として世界的にも高い評価を受けました。そして1977(平成9)年に90歳で亡くなるまで、詩情豊かで造形的な優れた作品を数多く制作しました。
故郷会津の風景や日本や外国の風景、人物像や花、動物そして伝統的な仏像や埴輪など多彩な題材を鋭く見つめ、その本質の美しさを導き出した多くの作品は、簡潔な構図とモダンな感覚で、新鮮な感動を見るものに与えます。
この展覧会では、福島県立美術館蔵品から選りすぐりの作品109点をモチーフごとに展示構成し、斎藤清の創造の世界をご紹介します。

 

美術講演会

日時:2002年10月6日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「芸術家と故郷―斎藤清の場合―」
講師:酒井哲朗(福島県立美術館館長)

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名取春仙肉筆画展

名取春仙肉筆画展の広報画像

名取春仙は、明治後期から美術団体である无声会に参加し自然主義的な傾向の作品を発表、大正期には无声会の後を受けて珊瑚会結成に参したほか、大正六年には《潮盈つ珠潮干る珠》を再興第四回日本美術院展に出品、日本画家としても華々しい活躍をしました。
この度は日本画家としての名取春仙に焦点をあて、明治期に制作された《南洋探検》(二曲屏風)、また日本美術院の傾向を示す朦朧体と呼ばれる様式で描かれた《寒山拾得》をはじめとした新収蔵品のほか、日本劇画院での活躍を偲ばせる《義経歌舞伎屏風》(六曲屏風)の大作を含む役者絵の数々、そして代表作《再挙》などを紹介します。
歌舞伎浮世絵版画の巨匠として、あるいは挿絵画家として知られる春仙ですが、日本画家としての一面を通し、さらに名取春仙の実像に迫る展示となっています。

 

美術講演会

日時:2002年5月19日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「明治・大正期の名取春仙」
講師:小池満紀子(櫛形町立春仙美術館学芸員)

斎藤武士展

斎藤武士展の広報画像

斎藤武士は1943年、山梨県南巨摩郡増穂町(現・富士川町)に生まれました。今年はちょうど版画の世界に入って30年という節目を迎えます。斎藤は郷土山梨に腰を据えて活動し、山梨に銅版画を定着させた指導者として重要な役割を果たしてきました。また、1984年にはクラコウ国際版画ビエンナーレにおいて最高賞を受賞するなど高い評価を得ています。
本展では、身近なモチーフを明確なフォルムに凝縮し、モニュメンタルな作風で知られる代表シリーズ《MEMORY》や最近作《Memory of Wall》などの銅版画のほか、マックス・エルンストに影響を受け制作された初期の油彩画やレリーフなど、合わせて約100点を展示します。

 

同時開催「斎藤武士写真展 もうひとつの記憶 陰翳礼讃」

会期:2001年11月10日(土曜日)~12月9日(日曜日)
会場:櫛形町まちの駅(観覧無料)

美術対談

日時:2001年11月17日(土曜日)午後1時30分~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
テーマ:「版画とともに―30年の軌跡を語る」
対談:斎藤武士、山田耕三

デモンストレーション

日時:2001年11月18日(日曜日)午後1時30分~
会場:櫛形町立春仙美術館1階ロビー(聴講無料)
内容:銅版画刷りの実演
講師:斎藤武士

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版画にみるやまなしから世界へ

版画にみるやまなしから世界への広報画像

江戸時代の浮世絵版画に続き、大正期の新版画などが海外で注目を集めた1930年代、名取春仙なども役者絵版画の功績によりオハイオ州東洋美術館から賞牌を授与されました。やがて1950年代に入ると世界各国で国際的な版画展が開催され、浮世絵以来の伝統を持つ木版画のみならず銅版画やリトグラフといった分野で、日本人作家の活躍が目立ちはじめます。
本展では、先駆的な活動により世界への道を拓いた木版画の萩原英雄や銅版画の深沢幸雄、海外に活動の拠点を置き独自の位置を築く力量を発揮するニューヨークの佐藤正明、バルセロナの山本正文、パリのナカノヒロミ、国際的な活動を展開する遠藤享、斎藤武士、河内成幸、小林次男、遠藤竜太といった山梨ゆかりの版画家10人による世界での活躍の一端を紹介します。

 

美術講演会

日時:2001年9月15日(土曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「アメリカの中の私」
講師:佐藤正明


日時:2001年9月30日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「現代山梨版画と世界」
講師:向山富士雄(山梨県立美術館学芸第二課長)

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名取春仙とその時代

名取春仙とその時代の広報画像

近代の版画芸術には、二つの大きな流れがあります。一つは「創作版画運動」で、芸術上における自我の確立を目指し、制作過程の全てにおいて自己の主張を一貫させ自画自刻自摺を主張するものです。もう一つは、渡邊庄三郎の提唱する「新版画運動」で、江戸の浮世絵版画に対する評価の高まりと研究の中でその特色を把握し、版元が画家や彫刻・摺師の長所を引き出し活用して優れた版画作品を生み出すという、自画自刻自摺を主張する創作版画家とは異なる伝統的な制作方法によるものです。
両者は相反する運動のように思いますが、根本的には画家の個性を重視し、芸術的価値の高い作品を生み出すことに努めたものです。そのため新版画の作品であるにもかかわらず、春仙の役者絵シリーズには「創作版画春仙似顔絵集」と題されており、新版画が復古的版画という一側面を持ちつつ、近代的な思想を持った版画運動であった証といえます。当時役者絵の双璧といわれた春仙と耕花は、写実性とデフォルメといった対照的な個性を発揮しました。また新版画の作家には、一貫して版元から作品を制作した深水や巴水、自らが彫師・摺師を監督し新たな制作を試みた五葉や博、自画・自刻・自摺の作品を残す紫浪や孝之というように、興味深い軌跡を辿ることができます。
櫛形町立春仙美術館では開館10周年にあたり、名取春仙の画業を同時代の多くの作品の中に据えて新しい視点によりみつめるとともに、春仙が木版画に取り組む以前の25歳の時に描いた新発見の日本画など未公開作品を含め、改めて春仙芸術を紹介し顕彰します。

 

美術講演会

日時:2001年4月22日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「名取春仙とその時代」
講師:守屋正彦(筑波大学芸術学系助教授)

ギャラリー・トーク

日時:会期中、毎週土曜日 午後2時~
内容:当館学芸員による作品解説(企画展観覧券が必要)
注)当日、櫛形町立春仙美術館1階ロビーにて受付します。

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廣重展 江戸のモダン

廣重展、江戸のモダンの広報画像

情緒あふれる日本の風土を描き続けた浮世絵の巨匠・歌川広重は、最晩年において江戸名所の集大成というべき《名所江戸百景》、日本全国の名所を集大成した《六十余州名所図会》を刊行しました。二大シリーズの全貌に迫るこの展覧会では、まず広重の没した前年に完成したシリーズである《六十余州名所図会》から、目録の1枚を加えた全70枚の作品、そして《名所江戸百景》は118枚と目録1枚、これに「二世広重畫」と落款のある1枚を加えた合計120枚の未完の作品と、この両者の全作品を一挙に公開することにより、広重最後の円熟した画業を辿ります。
特に西洋の画家ゴッホが模写した《大はしあたけの夕立》と《亀戸梅屋舗》は、《名所江戸百景》の一作品として世界的に著名であり、他にもホイッスラーの《金屏風》には《六十余州名所図会》と思われる浮世絵の作品が画中に描かれるなど、特に西欧への影響が顕著に見られる興味深い作品群といえます。
また、技法面においても極めて精緻な彫りや、高度な摺りの技法、雲母などを用いた華麗な表現をみることができ、迫力のあるリアルな描写とともに構図面でも工夫を凝らした斬新な作品が多く、現代においてなお新鮮な感動をみるものに与えます。

 

美術講演会

日時:2000年10月29日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「広重の風景版画の魅力
講師:神谷 浩(名古屋市美術館学芸課主査、国際浮世絵学会理事・国際委員)

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牧野宗則展

牧野宗則展の広報画像

牧野宗則は、1940(昭和15)年静岡県に生まれ、県立静岡高等学校在学中から浮世絵木版画に強い関心を抱き、浮世絵の彫師・摺師の仕事場を訪れ技術指導を受けました。
35歳から本格的な創作活動に取り組みはじめ、以降上越地方の雪山や有明海を描いた作品などを発表しています。これらの作品の中には、浮世絵の持つ叙情豊かな表現がみられるものや、クロ一ド・モネに代表される印象主義の画家たちが試みた光の表現、ヴァン・ゴッホなどが描いた力強い筆致と強烈な色彩を彷彿とさせるものがあります。牧野氏は「芸術は生きる歓びに出会うためにある」と述べていますが、これらの作品の数々は、正にその思いが深く刻まれたものと考えられます。
本展では牧野宗則の四半世紀に及ぶ画業を回顧し、最近作を含めた80数点の作品を展示します。

 

美術講演会

日時:2000年5月28日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「自然の生命と伝統木版画の世界」
講師:牧野宗則

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エドワード・バー・ヴァン・ヴレックコレクション 浮世絵名品展

浮世絵名品展の広報画像

アメリカには、数多くの浮世絵コレクションがあります。その原動力となったのは、個人コレクターたちの日本美術に対する深い愛情、優れた審美眼と不断の努力でした。今回紹介する浮世絵版画も、アメリカ有数の個人コレクター、エドワード・バー・ヴァン・ヴレック(1863-1943)の多年に亘る収集によるものです。
ヴレックは、ウィスコンシン大学の数学教授であり、浮世絵に対する関心は1899年頃、姉妹から贈られた一枚の浮世絵版画によって始まりました。そして1928年には、このコレクションの基礎となる、世界的建築家フランク・ロイド・ライトが日本滞在中に集めた5000枚に上る浮世絵版画を購入します。ライトのコレクションを手にしたヴレックは、たちまちその虜となり、ライトの意志を受け継ぎたゆまぬ努力を重ね、大コレクションを築きました。これはノーベル物理学賞を受賞した息子、ジョン・ハスブローク・ヴァン・ヴレックに受け継がれ、ウィスコンシン大学のエルヴィエム美術館に寄贈されました。
本展では、このコレクションの中から約200点を選りすぐり、錦絵が誕生した明和期(18世紀後半)の春信から、明治期(19世紀後半)の清方、年方まで、六大浮世絵師(春信、清長、歌麿、写楽、北斎、広重)をはじめ、文調、春章、春好、栄之、豊国、国芳のほか、48名の作品を紹介します。また、コレクションの特徴である縦長の構図の柱絵や、摺物に用いられる長判など、一般的に知られている大判や間判などとは異なった大きさの浮世絵版画も紹介し、画面構成の面白さや調和の妙味をご覧いただきながら、時代の推移とともに変化する浮世絵の全貌を明らかにします。

 

美術講演会

日時:1999年10月24日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「風景画の巨匠北斎と広重―不二三十六景をめぐって―」
講師:橋本健一郎(神奈川県立歴史博物館専門学芸員)

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リリアン・メイ・ミラー

リリアン・メイ・ミラー展の広報画像

日本の近代版画について考える時、重要な役割を果たした人々の中には日本人ばかりではなく、ジャポニズムや伝統的な浮世絵の影響を受け、作品の制作に取り組んだ外国人の作家がいたことを忘れてはなりません。彼らの版画制作に取り組む姿勢は、新版画のみならず創作版画の在り方も含めて、版画芸術に多くの示唆を与えたものといえます。
この度、アメリカ人外交官の娘として日本で生まれ育ったリリアン・メイ・ミラー(1895-1943)の作品を紹介し回顧します。彼女は在日中に、狩野友信や島田墨仙に師事し、日本画特に水墨画を学びました。また浮世絵や近代の木版画などから、その表現形式に高い芸術性を見出した彼女は、東洋の風土や風俗を描いた作品を残し、自らも彫り、摺りを学び制作にあたりました。印刷技術の急速な発展を遂げるこの時期の日本で、浮世絵から続く木版画の伝統を絶やさぬために、そして西洋の人々にこの素晴らしさを紹介しようと、自らが東西の架橋になることを望んでいました。しかし太平洋戦争勃発後、間もなく47歳の若さで亡くなり、彼女の画業も歴史の中へと埋もれてしまったのです。
本展は、カリフォルニア州のパシフィック・アジア美術館での展覧会を中心に構成するもので、一人の女性浮世絵師に焦点をあてたものです。束西の狭間に生きた彼女の作品を心行くまでご覧ください。

 

美術講演会

日時:1999年7月11日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「リリアン・メイ・ミラーと外国人の浮世絵師たち」
講師:猿渡紀代子(横浜美術館学芸課長補佐)

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笠松紫浪展

笠松紫浪展の広報画像

本展では、名取春仙とともに江戸浮世絵の伝統を受け継ぎ、大正新版画の重要な作家として多くの作品を残した、笠松紫浪(1898-1991)の生誕100年を記念し、遺族から寄贈いただいた105点の作品と資料を紹介します。
東京に生まれた笠松紫浪は、鏑木清方の門で学び、大正新版画において叙情豊かな東京の風景を描きました。大正新版画とは、版元が絵師・彫師・摺師を指導、熟練した木版画の制作技術をもって、画家の個性を十分に発揮した作品を制作するものです。今回紹介するのは、紫浪自身が描き、彫り、摺りあげる自画自刻自摺によるもので、戦後から晩年に至るまで精力的に取り組んだ作品です。
疎開先の信州の風景や、心和ませる動植物、京都の寺社など、木版画制作で培った感性が生かされた作品を通し、紫浪の晩年の画業をご確認ください。

 

美術講演会

日時:1998年10月25日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「笠松紫浪の木版画」
講師:笠松喬介(作家、笠松紫浪長男)

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山梨百景・櫛形十二景

山梨百景・櫛形十二景の広報画像

この度櫛形町立春仙美術館では、竜王町(現・甲斐市)在住の郷土作家・山田耕三の作品を紹介するべく「山梨百景・櫛形十二景」展を開催することになりました。
これまで人間を主題とした創作活動をしていた山田耕三が、山梨の自然、特に山脈の変化などに魅せられ、日常に追われ失われつつあった“自然との触れ合い”の中で、その素晴らしさを描き残したいという思いから「山梨百景」が生まれたと聞いています。
「山梨百景」は、1980(昭和55)年の初夏よりスケッチを始め、17年間の長い月日に及び制作されたものです。
また、今回の展覧会に合わせ櫛形町内の十二景を制作していただきましたので、山田耕三の素晴らしい世界の中に、見慣れた風景と出合うことができると思います。
さて、櫛形町では21世紀に向けアメニティ・タウン計画を推進しており、その一環として建設いたしました当館も、ようやくアヤメの里の美術館として定着しつつあると思います。
そして美術館が、地域の芸術文化の源泉として、一人でも多くの皆様の心の糧となり、文化交流の拠点の一つとなることを念願しております。
最後に本展の開催にあたり、ご尽力いただきました関係各位に対して心より感謝申し上げますとともに、今後とも当館の活動につきまして絶大なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

美術講演会

日時:1998年9月6日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「山梨百景と私」
講師:山田耕三

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大歌麿展

大歌麿展の広報画像

現代より洗練。現代より過激。
国内外から名品約250点集結。
江戸芸術の華、謎の浮世絵師の真髄に迫る…。
時代が歌麿を生んだのではない。
歌麿が時代を創ったのだ。

浮世絵美人画の巨匠といえば、喜多川歌麿をおいて他にはありません。その名は知らない人がいない程に有名ですが、実は歌麿の伝記については謎に包まれています。分からないことが多すぎるのです。
本展では、1000点に及ぶ錦絵や版本の挿絵、絵本、肉筆画の中から、海外に流出した傑作を里帰りさせ、国内の美術館が所蔵している代表作を加えて一堂に会し、歌麿の偉大な画業を回顧します。そして、その作品群を通して歌麿の謎を明らかにしようとするものです。
例えば、歌麿の昔の画号と考えられている「北川豊章」は、歌麿自身ではない別の浮世絵師ではないか。もしかすると、東洲斎写楽は歌麿ではないか。歌麿の晩年には、弟子がゴーストライター的に作品を代作していたのではないかなどです。
江戸の華、浮世絵の魅力、そして歌麿の華麗な冒険を、初期から晩年までの代表作、約250点によって探ります。その一点一点に込められた歌麿の人間愛を心行くまでご鑑賞いただき、自ら歌麿の謎に迫ってみてください。

 

美術講演会

日時:1998年3月15日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「喜多川歌麿の人と芸術」
講師:石田泰弘(福岡市美術館学芸課長)

ギャラリー・トーク

日時:1998年3月14日(土曜日)、3月21日(土曜日)午後2時~
内容:当館学芸員による展示解説(企画展観覧券が必要)
注)当日、櫛形町立春仙美術館1階ロビーにて受付します。

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日本の版画1

日本の版画1の広報画像

改めて浮世絵の例を挙げるまでもなく、日本において版による表現は人の感興や祈りや空想を形にしながら、長く深い時を刻んできました。はじめ木を削り、文字を転写するだけであった版は、時代が下るに従い技法も用途も造形も様々に分化して、今日に至っています。
この展覧会は、1900年から1910年までと言う僅かな時間を、長大な日本の版画史から抜き出し浮き彫りにしようとするものです。明治でいうと33年から43年に当たるこの時期、印刷術の急速な進歩を背景に、版の上では極めて興味深い様相が展開していました。浮世絵系の絵師たちが小説口絵に腕を競い、日露戦況を伝える錦絵が報道手段たる最後のつとめを果たす一方で、若き竹久夢二が流行作家としての歩みをはじめ、また山本鼎が版画ならではの「表現性」開拓へと乗り出しました。当館所縁の名取春仙もまた、挿絵画家として活躍し版に対する感覚を育てた時代であり、多感な青年期を過ごしていました。新しいものと古いもの、和的なものと洋的なもの、複数性とオリジナリティーとが渾然となった版をめぐる状況は、まさに『百相』と言うに相応しいものです。
今展では250余点を「浮世絵版画の流れ」「石版画における展開」「より新しく自由な造形へ」「版技巧の多様化」「表現へと向かう版画」「デザインと版画」の6部構成で展観いたします。僅か10年余りの間に繰り広げられた、多様な「版のかたち」を御覧下さい。

 

美術講演会

日時:1997年11月2日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
講師:飯野正仁(山梨県立美術館学芸第一課長)
演題:「1900年代の版画と印刷術」

ギャラリー・トーク

日時:1997年11月8日(土曜日)午後2時~
内容:当館学芸員による展示解説(企画展観覧券が必要)
注)当日、櫛形町立春仙美術館1階ロビーにて受付します。

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今に生きる浮世絵

今に生きる浮世絵の広報画像

日本の誇る多色木版の伝統と創造の世界を、明治から昭和に至る100点余の木版画作品で展観する本展は、現代に継承されている江戸木版画の歴史を紹介するものです。
まず、江戸浮世絵は歌麿・写楽・北斎・広重などの絵師の登場と版元・彫師・摺師の共同作業により黄金期を迎えましたが、明治維新前後に西欧の新技術である銅版画や石版画が移入されると、浮世絵を基盤とする木版画は一時衰退することになります。
しかし、小林清親の文明開化絵や光線画、大蘇芳年の風俗絵等は、新時代の息吹を吹き込んで制作され続けます。
明治末期には山本鼎や石井柏亭らによる創作版画活動が興り、その興隆に力づけられ、伝統的な木版画の世界にも新しい動きが興ります。彫りと摺りの専門的で高度な技術の上に、画家の芸術的表現意欲を全開させるという新版画運動です。橋口五葉や伊東深水の美人画、川瀬巴水や吉田博の風景画は、彫師と摺師の鍛えぬいた伝統の技を最大限に活かし、画家の新鮮な表現効果を実現するものでした。
浮世絵をはじめ様々な表現方法による絵画の複製に、伝統木版画の技術は活用されています。新版画運動の可能性は現在もなお追求され、新たな木版画の歴史を刻み続けています。

 

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山本正文

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山本正文は、1947年山梨県中巨摩郡櫛形町(現・南アルプス市)に生まれ、大学卒業後フランスに渡り、1971年からバルセロナにおいて創作を続けています。バルセロナは、スペインのカタロニア地方の中心都市で、これまでにパブロ・ピカソ、ジョアン・ミロ、サルバドール・ダリといった巨匠と深い関わりを持ってきた地でもあります。
彼の工房には、現代バルセロナ美術界を代表する作家達が数多く訪れ、彼らとの制作を通し版画のテクニックと表現感覚を磨きました。1988年には、マドリードのサン・フェルナンド王立美術院版画美術館で版画工房展を開催、同工房が現代版画を支える基地として注目されるとともに、山本氏独自の世界を表現した作品を西欧各地で発表、特に1992年メキシコ国立版画美術館において大規模な回顧展が開催されました。
彼の作品には、遠い異国の地で制作されながらも無意識のうちに日本の感覚が生きています。はかなく変わりゆく自然現象を色彩の微妙な美しさの中に捉えた、その作品の根底には故郷の風土との結び付きを感じさせられます。
本展では、バルセロナでの四半世紀に及ぶ画業を回顧し、最近作を含めた約130点の作品を展示いたします。

 

美術講演会

日時:1997年5月11日(日曜日)午後1時30分~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「芸術と人とふるさと」
講師:山田耕三(元・山梨県立美術館副館長、山梨県美術顧問)

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生誕200年記念 広重展

生誕200年記念、広重展の広報画像

歌川広重(1797‐1858)が描く風景画は、春夏秋冬の日本風土の美しさを伝え、そこに生きる人々の姿と共に、抒情豊かな表現を今に伝えています。
本展は広重生誕200年にあたり、米国ウィスコンシン大学(マディソン)のエルヴェイム美術館が所蔵するエドワード・ヴァン・ヴレック・コレクション3000点の中から約250点の名作を日本初公開するものです。風景画はもとより卓越した色彩の組合せにより名所や土産物を描いた張交絵、笑いをさそう戯画、花鳥画や団扇絵などの珍しい作品のほか、この記念展に際しアリゾナ州フェニックスにあるフランク・ロイド・ライト財団から新発見の張交絵の版木も特別出品されます。
これらを2部構成でご覧いただき、大自然とそれに畏敬と恩恵への感謝の念を抱き生活を営む庶民へとそそがれた彼の眼差しを辿り、自然と風俗の美しい結晶として今なお深い感動を与える広重の世界をご紹介いたします。

 

美術講演会

日時:1996年11月16日(土曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「広重とフランク・ロイド・ライト・コレクション」
講師:浅野秀剛(千葉市美術館学芸係長)

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信仰の美術展

信仰の美術展の広報画像

遡ること八百有余年
戦いに明け暮れた甲斐源氏の人々は
藤原の文化に魅了され多くの仏たちを
山紫水明のこの国に導いた
霊峰と清流は時に峻厳なる姿をみせ
甲斐の地に生きる彼らの心に
深い祈りの精神を湧きおこした

十二世紀後半、甲斐源氏の流れを汲む小笠原氏、加賀美氏、安田氏などがこの地を治め、勢力を伸ばしていました。遠征を繰り返す中で都や平泉の藤原文化に影響を受けた彼らは、多くの魅力的な仏たちをこの山間の国に残します。それは興隆してきた密教の思想とともに人々の心を捉え、さらに深淵なものとしました。
加賀美遠光が高倉天皇より賜ったという伝承を持つ旧中富町(現・身延町)大聖寺の不動明王坐像、そして小笠原氏と関連の深い旧櫛形町(現・南アルプス市)宝珠寺には、全国的にも類例のない印相を持つ大日如来及四波羅蜜菩薩坐像が伝わっています。これらの仏たちを巡り、さらに密教の教典や曼荼羅を紐解くことで彼等の信仰の在り方を明らかにし、精神文化が生み出した美の世界を御覧いただきたいと思います。

美術講演会

日時:1996年5月12日(日曜日)午後3時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「山梨の密教美術」
講師:濱田 隆(山梨県立美術館館長)

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浮世絵名品展 初公開グラブホーン・コレクション

浮世絵名品展、初公開グラブホーン・コレクションの広報画像

米国サンフランシスコの「グラブホーン・コレクション」は、故エドウィン・グラブホーン氏と画家である妻イルマ夫人との共同作業として生まれました。印刷出版の専門家であったグラブホーン氏は、その鋭い鑑識眼と独自の史観・芸術観によって、今世紀初め頃から美術品のコレクションを始め、浮世絵も精力的に集めました。妻が愛した広重・北斎を皮切りに、やがて初期浮世絵の名品、そしてコレクションの特色にもなっている春信へと範囲を広げていきます。
それは個人が所有する浮世絵版画のコレクションとしては最高の質と量を誇り、世界的に有名なボストン美術館の「スポールディング・コレクション」に匹敵する名品揃いとさえ言われています。
しかも浮世絵の初期から幕末までの名品をまんべんなく網羅していることでも、その価値を高めています。
本展は1100余点のコレクションの中から精選約200点を日本に里帰りさせ、世界初公開するものです。
江戸時代に花開いた浮世絵文化が時を超え、かつてない感動をみせるまたとない機会となるでしょう。

 

美術講演会

日時:1995年11月23日(木曜日・祝日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「グラブホーン・コレクションの浮世絵」
講師:小林 忠(学習院大学教授)

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肉筆浮世絵名作展

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浮世絵は近世以降の日本の美術を代表するものとして、人々に親しまれ高い評価を受けています。その名声は海外においても極めて高く、ゴッホやモネ等のフランス印象派、クリムトやエゴン・シーレ等のウィーン世紀末の画家を始めとする西欧芸術家の心を強烈に捉えました。
これらの浮世絵の多くは浮世絵版画を中心としていますが、これに先行し鮮やかな色彩を放ち斬新な構図のもとに描かれていた肉筆の浮世絵は、これまで知られていた浮世絵版画の世界に、さらに大きな広がりと厚みを与える興味深い分野です。

 

美術講演会

日時:1995年5月28日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「肉筆浮世絵の発生と展開」
講師:安村敏信(板橋区立美術館学芸主査)

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「写楽」と「歌麿」 江戸の浮世絵展

写楽と歌麿、江戸の浮世絵展の広報画像

「江戸諸般の文芸美術悉く燦然たる光彩を放ちし時代」とは、文豪・永井荷風が江戸時代の天明、寛政期を指して評した言葉です。その天明、寛政の時代、寛政6(1794)年は、浮世絵師・東洲斎写楽があの独特な役者絵をひっさげて登場し、江戸市中の話題をさらった年。今年はそれから丁度200年目にあたります。これを記念してベルギーのブリュッセル王立美術歴史博物館から世界にただ一枚しかない写楽の作品(2種A、B)を含む世界的な名品多数が里帰りをしてきました。これらを中心に謎の絵師・写楽の全貌をご覧いただくとともに、喜多川歌麿をはじめ鳥居清長、鳥文斎栄之、勝川春章ら写楽と同時代の絵師たちの作品、そして、写楽登場の仕掛け人、版元・蔦屋重三郎の仕事などを紹介します。「謎の絵師・写楽は誰だ!」という話題の謎解き諸説一覧、アダチ版(復刻)による写楽の全作品の一挙展示は、200年前あの特異な役者絵がずらりと蔦屋の店先に並んだ時の、江戸庶民の驚きを再び体験する得難いチャンスです。

 

美術講演会

日時:1994年11月13日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「写楽・歌麿・蔦屋重三郎」
講師:諏訪春雄(学習院大学教授)

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吉田博木版画展

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吉田博は、明治9年久留米の上田家に生まれ、幼少より絵を好み福岡へ出て吉田嘉三郎に油絵を学んだ。望まれて吉田姓を称することになり、やがて上京し小山正太郎の不同舎に入り、画家の道に専念した。そして昭和25年永眠するまで各地を遊歴し、風景画を描き続けた。
彼が版画制作に入ったのは、欧米で浮世絵版画が高く評価されているのを知り、心に期したことにもよるが、大正9年の渡邊庄三郎との出会いが大きなきっかけであった。その頃、庄三郎のもとには名取春仙をはじめ伊東深水・川瀬巴水・山村耕花などの画家が新しい感覚の浮世絵版画(新版画)の創作に取り組んでいた。
庄三郎のもとから8点出版した後、独自の作風を確立するために、自ら彫師・摺師を指導しながら約250点余りを制作した。50回から70回摺り重ねて仕上げていくその版画は、伝統木版画の技術を結集させた新しい感覚の版画となった。
油絵作家である彼の迫力ある風景画は、創作に対する情熱をもって自ら主宰して描き、彫師・摺師とともに制作した結果、生き生きと表現されている。
今展では名取春仙と同時期、渡邊庄三郎のもとから版画を出版し、春仙とは違った形で木版画を正面から取り組んでいった吉田博の版画芸術の真髄を紹介する。

 

美術講演会

日時:1994年5月8日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「父、吉田博 人と芸術」
講師:吉田遠志(画家、吉田博長男)

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歌川広重 木曾街道六拾九次展

歌川広重、木曾街道六拾九次展の広報画像

浮世絵版画史に燦然と輝く浮世絵師―歌川広重。数多くの揃い物を手がけていますが、その名を広めたのは天保五(一八三四)年一月に完成した保永堂版「東海道五十三次」でありました。「木曾街道六拾九次」は、その好評に刺激され企画されました。これは天保六年に保永堂から浮世絵師・溪斎英泉によって開始されましたが、英泉は天保八年までに二四図作成して身を引きます。版元も錦樹堂が加わり(途中で保永堂は手を引く)総帥は広重が引き継いでこれを完成させました。さらに完結後は版元が錦橋堂に移り版を重ねました。二総帥三版元によるこのシリーズは全七一図、制作課程の諸事情により異版が多くあります。今展では、保存状態の大変優れた田中春雄コレクション全七一図と異版約五〇図、それに木曾街道(中山道)の資料(絵本・地図等)を含め、浮世絵版画の真髄と合わせて、江戸時代の街道の発達・変遷を「木曾街道六拾九次」の全貌をみながら御理解いただけるものと思われます。

 

美術講演会

日時:1993年11月14日(日曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「木曾街道六拾九次について」
講師:小澤 弘(調布学園女子短期大学助教授)

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名取春仙とその周辺展

名取春仙とその周辺展の広報画像

櫛形町立春仙美術館では1991年11月1日の開館以来、名取春仙とその周辺の作品を常設展・企画展で紹介してきました。
今展では日本画家でもあり、浮世絵師でもあり、挿絵画家でもある名取春仙の全貌と、春仙と同時期に活躍した浮世絵師―伊藤深水・川瀬巴水・山村耕花・吉田博の作品を、当館所蔵作品中心にご紹介します。
特に、名取春仙の昭和11年改組第1回帝展出品の「再挙」、大正5年版元・渡邊庄三郎のもとより初めて出版した浮世絵版画「初世中村鴈治兵衛」など貴重な作品を新収蔵しました。その公開も合わせて行います。
また、渡邊庄三郎のもとで春仙とともに活躍した伊藤深水・川瀬巴水・山村耕花・吉田博の美人画・風景画・役者絵の色鮮やかな版画約40点をご覧いただき、浮世絵版画の素晴らしさや、大正から昭和にかけての懐かしい日本の風景・風俗をお楽しみいただきたいと思います。

 

浮世絵名品展 ブレーメン美術館・ケルン市立美術館所蔵

ドイツの古都に眠る秘蔵、浮世絵名品展の広報画像

ドイツのほぼ中央に位置するケルン市と北部のブレーメン市にある美術館の浮世絵が、この度初めて日本に里帰りします。
19世紀末から20世紀初めにかけて、西欧では日本美術と積極的に交流し、主だった美術館では日本の美術品を数多く収集しました。その中でブレーメン美術館とケルン市立東洋美術館はそれぞれ6000点もの総合的な浮世絵を所蔵していることが、今回の調査で判明しました。
この中より世界で唯一と考えられるものや、初期浮世絵から春信・豊国・歌麿・写楽・広重・北斎等の主だった作品まで版画を中心に、肉筆画・版本等を含め約50作家200余点の浮世絵作品を一堂にご紹介します。浮世絵の里帰りの展覧会としては大規模な今展は、「浮世絵名品鑑賞入門展」として、多くの方々にお楽しみいただけるものと思われます。

 

美術講演会

日時:1992年11月23日(月曜日・祝日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「浮世絵の歴史と芸術」
講師:永田生慈(太田記念美術館副館長)

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大正新版画の魅力展

大正新版画の魅力展の広報画像

大正から昭和にかけて新しい浮世絵版画の創作を目指した渡邊庄三郎のもとより出版された橋口五葉・伊東深水・川瀬巴水・山村耕花・名取春仙の5作家約100点の新版画を一堂に紹介。
明治期めまぐるしく変化する社会の中、「江戸の華」と言われた浮世絵版画は、西洋版画技術の普及、自画・自刻・自摺を提唱した創作版画分野の成立など版画界にも変化があり衰退していく。こうした状況で浮世絵版画の見直しと新しい時代を反映した浮世絵版画づくりを目指したのが渡邊庄三郎のもとで起こった新版画運動である。
新版画運動は、1915(大正4)年に日本画家として初めて橋口五葉の「浴場の女」が出版され具体的活動につながっていく。伊東深水が情感豊かな美人画を、川瀬巴水が詩情豊かな風景画を、役者絵は役者の性質をとらえデフォルメした構図で表現した山村耕花、舞台姿の美しさを描画した名取春仙など、それぞれ絵師の創造性を徹底的に尊重した個性豊かな浮世絵版画が出版された。
今展は浮世絵版画史上最後に位置する新版画の中でも特に、名取春仙とその周辺―橋口五葉・伊東深水・川瀬巴水・山村耕花―5作家約100点の作品を展示し、伝統木版画の素晴らしさを紹介する。

 

美術講演会

日時:1992年5月17日(月曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「大正新版画の世界―名取春仙を中心に―」
講師:岩切信一郎(日本浮世絵協会編集委員)

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開館記念 名取春仙展

開館記念、名取春仙展の広報画像

この度、櫛形町では地元出身の名取春仙画伯の画業を広く紹介することを目的に、櫛形町立春仙美術館を開館します。開館を記念し「名取春仙展」を開催します。
名取春仙(本名・芳之助)は、1886(明治19)年、山梨県中巨摩郡明穂村(現・南アルプス市小笠原)の名取市四郎・みちの五男として生まれ(~1960)、東京で育ち、綾岡有真・久保田米僊・平福百穂らに日本画、福井江亭に洋画を学びました。
早くからその才能は認められ、1917年(大正6)年、日本美術院展、1926(昭和元)年、聖徳太子奉賛美術展、1938(昭和11)年、改組第一回帝国美術院展に出品するなど、日本画家としての創作活動を行う一方、夏目漱石・島崎藤村・泉鏡花などの新聞小説の挿画や石川啄木・谷崎潤一郎らの文芸本の装幀口絵等を手がけ、名を広めました。
また演劇界との結びつきも深く役者似顔絵を描き、大正時代には版元・渡邊庄三郎のもとで役者の舞台像の肖似性を求めた役者絵版画を手がけ、好評を博しました。この頃、伝統木版画では美人画の伊藤深水、風景画の川瀬巴水、役者絵の山村耕花・名取春仙といわれ、明治以来沈滞していた浮世絵版画に新風をそそぎました。
今回の開館記念展では、役者絵版画を中心に日本画では1936(昭和11)年、改組帝国美術院展出品「再挙」他の大作数点、出版関係では挿絵・装幀を手がけた書籍・雑誌等を展示し、春仙芸術の真髄をご紹介します。

 

美術講演会

日時:1992年1月12日(土曜日)午後2時~
会場:櫛形町立春仙美術館会議室(聴講無料)
演題:「春仙芸術について」
講師:守屋正彦(山梨県立美術館学芸課長)

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