本市の最上位計画にあたる第2次南アルプス市総合計画(平成27年度から令和6年度)が終期を迎えることから、令和5年度と令和6年度の二か年をかけ第3次南アルプス市総合計画(令和7年度から令和16年度)の策定を行います。
今回は、市民の皆様に参加いただき、市の未来をつくるための市民会議を開催しましたので、その結果をお知らせします。
市民会議では、さまざまな立場から市の将来について熱心に議論いただきました。皆様からいただいた意見は、第3次南アルプス市総合計画を策定するにあたり、包括的かつ実現可能な計画となるよう活用してまいります。
多くの市民のご参加、誠にありがとうございました。
実施概要
PDF版チラシ:第3次南アルプス市総合計画策定のための市民会議「まちの未来を考えよう!」について (PDF 720KB)
会議名
第3次南アルプス市総合計画策定のための市民会議「まちの未来を考えよう!」
日時・場所
令和5年12月18日(月)19時から21時まで
地域防災交流センター(消防本部) 多目的ホール
参加者
60名
内容
(1)10個のテーマに対して、それぞれ3人~7人ずつのグループへ分かれる。
(2)事前に実施した市民意識調査の結果から想定しうる市民像(ペルソナ)10名から一番関心のもてる市民像(ペルソナ)を選んでいただく。
(3)テーマごと(2)で選んだ市民像(ペルソナ)がどのような関わりを持つことで将来の南アルプス市が発展するか議論いただく。
(4)議論結果の共有。グループ内で1名テーブルに残り議論の内容を説明し、残りの方は他のテーブルを見学する。
(5)10年後の南アルプス市の将来像をどのように表現するか考えていただく。
配布資料
成果報告
※市民会議後の集合写真
開催風景
グループごとの議論結果
(地域コミュニティ)
遊休農地を有効活用して農作物を育てることで、地域の美しい環境を保っています。その採れたての農産物は、移動販売やお祭りなどで販売され、農家と地域の新しいつながりを築いています。インターネットの活用やリモートワークの普及により、都市から地域に戻りたいと考える人たちや地域で子育てをしたい人々が、ここで暮らす選択がしやすくなっています。また、市内観光を促進するコミュニティバスが運行され、移動の難しい高齢者にも利便性の高い移動手段となっています。
(福祉・介護)
南アルプスでは、地域の魅力として有機栽培など新しい農業がブランディングされています。地域の方々がボランティアで農作業に参加したり、農業体験を通じて質の高い教育が行われ、農業を通じたつながりが生まれることで、農業が地域にとって新たな価値をもたらしています。木材を活用したバイオマス発電などの取り組みがエネルギー自給自足を実現し、地域経済にも貢献しています。さらに、様々な施設のバリアフリーが進む中で、「ヘルプカード」の認知度が上がり、障がい者への理解が深まり、相互理解の「心のバリアフリー」が進展しています。
(子ども・子育てA)
高校生が地域で成功体験を積む場や機会が設けられ、将来県外に進学しても、また地域に戻ってきたいという希望が育まれています。また、将来に不安を抱える地域の経営者や農家がマーケティングやブランディングを学びスキルアップをすることで、地域の個性を生かした新たなビジネスを展開し、地域経済を活性化させています。こうした成功体験やスキルアップの場や機会は、都市部から移住してきた人たちの力を借りながら運営されており、ここで学ぶ人たちの新たなつながりをつくる機会にもなっています。そのつながりをきっかけに、地域のお祭りやボランティア活動などにも参加する新たな広がりが生まれてきました。
(子ども・子育てB)
地域において子育て世代が孤立しがちな中で、子どもの定期健診の機会を活用して相談や交流が行われたり、保育園や子育て支援のサービスに関する様々な子育て関連の情報が得る機会になるなど、地域の拠点(ハブ)としての役割を果たしています。教育面では、地域の特色を活かした教育の場が整備され、地域性や規模の違いなどを強みとした様々な学校づくりが行われています。こうした中から、子どもたちが自分に合った学校を選ぶことができるようになっています。
(保健・医療・健康づくり)
自分の趣味を通じて新たな地域とのつながりを築き、その成果をイベントなどで発表できる場や機会が設けられたことで、退職後のシニア層が充実した日々を送っています。Uターンした若者も、テレワークを活用し地域で働きながら家庭を持ち、その後子どもが生まれたことで親同士の新たなつながりを築いています。親の介護も必要な時期ですが、民生委員や地域の支援により不安も解消されています。また農家も、地域の様々な場所で農産物を販売できたことで、安定した収入が得られています。
(生涯学習・文化・スポーツ)
地域の行事やイベントをより魅力的に進化させるため、これまでイベントを主催してきた子ども会や地域のお祭りなどの実行委員会、学校等とイベントの運営ノウハウを持つ人々が協力し、様々な世代の人々が参加するイベントを積極的に開催することで、新たなつながりが生まれています。また、こうしたイベントで市民の文化活動を披露する機会が増えたことから、地域の文化活動も盛んになっています。
(都市整備・まちづくり)
リニア中央新幹線の整備により東京が通勤圏となったことで、高校卒業後に都市部の大学に進学した若者も地元に戻る選択肢が増えました。東京で働きながら親が近くにいて自然が豊かな地域に暮らせることで、子育ての協力も得られるようになりました。老後までずっと住み慣れたまちで安心して暮らせるようになったことで、若者にとっても未来に希望がもてるまちになっています。また、果樹などの地域の魅力を保ちつつ、商業施設や学校、医療施設の整備が進み、地域での生活も便利になっています。
(環境・自然)
ユネスコエコパークの理念を軸に、「核心地域」、「緩衝地域」、そして「移行地域」を活かしたまちづくりを推進しています。地域の豊かな自然やそこから生まれる歴史文化を活かした学校教育や社会教育、生涯学習などを通じて、多彩な体験機会が提供されています。こうした体験を通じて、子どもたちが郷土を愛し、地域に戻りたいと感じるきっかけを育んでいます。また、都市部から移住してきた人々は、エコパークや歴史文化を活かしたインバウンド観光や富裕層向けの観光関連の仕事に就き、安定した生活を営んでいます。そしてその安定が、子どもたちとの貴重な時間を支えています。自然愛好家の方々も、ユネスコエコパークを楽しみながら、自然環境の保全活動にも参加することで、地域の豊かな自然が守られています。
(産業・観光A)
リニア中央新幹線の開業や自動運転による公共交通の整備により、日常生活での移動手段が充実し、特に高齢者にとって外出がしやすくなりました。これにより、観光客が各地を訪問する際の移動もスムーズになりました。新たな公共交通機関の整備により、地元の商店なども賑わい、活気を取り戻しています。同時に、IT技術の学習の場が整い、新しいビジネスの創出やそれにつながるコミュニティづくりが進んでいます。
(産業・観光B)
儲かる農業が実現することで農家の所得が増加・安定し、地域全体の生活が向上しました。また、地域で新たな仕事が生まれたことで若者の所得が増え、都市からのUターンにより「南アルプス市で暮らしたい」という意識が高まり、結果として地域における婚姻数や出生率の上昇につながっています。
(社会教育・学校教育)
行き場所のない子どものための居場所として、これまでの「あるぷす教室Wing」に加え、もっと自由な活動が出来る新たな場がいくつも生まれたことで、子どもにとっての学びの場や居場所の選択肢が増えました。それらを通じて、自治会や公民館での活動や、農家や事業者など、様々な人たちとのつながりや職業体験などが得られたことで、子どもたちにとって、「今」だけではなく「将来」への安心感が育まれ、それが進学や就職に向けた後押しとなっています。
(防災・防犯)
地域のお祭りなどのイベントを通じて若い移住者との交流機会も増え、地域の防災活動にも参加するようになってきました。スマホやなどの情報ネットワークは災害発生時に使えないことも想定される中で、地域の人と人とのつながりにより、安心感が育まれています。同時に、リタイアした方々が農家と協力し、新鮮な農作物を地元の飲食店に提供するなど、地域内での循環が活性化しています。
10年後の南アルプス市の将来像について