景観まちあるき ~御勅使川ゆかりの史跡を歩く~
開催日時:令和5年11月25日(土)午前8時30分集合出発/午後1時30分解散
都市計画課では景観啓発活動の一環として景観まちあるき事業を行っています。
今年度も、市文化財課と共催で、南アルプス市を流れる御勅使川沿いの史跡や、紅葉シーズンの公園、史跡の発掘現場などをウォーキングを中心に巡る「歴史・景観まちあるき」として開催しました。
南アルプス市の北部を流れる御勅使川沿いには、この地に水とともに暮らしてきた人たちが、長い時間をかけて川から自分たちの生活を守ってきた歴史や仕組みが残っています。川沿いの史跡や景観の移り変わりなどを通して、文化財課からはその歴史や仕組みを解説、そして都市計画課からはそれら史跡の歴史的景観と河川や公園の都市景観について説明し、南アルプス市の景観の特徴や魅力を感じていただこうというのが開催の目的です。
石積出
今回は南アルプス市内外から約30名にご参加いただきました。バスで石積出まで移動し、まちあるきスタート!
石積出とは、石で造られた堤防で、一番提から五番提まで残されていて、一から三番提までは国指定史跡となっています。
天気も良く、風も穏やかでまさにまちあるき日和! ここでは現在発掘調査を行っている現場などを、職員の解説とともに見学していただきました。石積出を登る際、この急でデコボコの斜面を皆さん元気にどんどん登っていました。紅葉や川沿いの景観はとてもよかったです。
【川沿いの景観】 【史跡の説明をうける参加者の皆さん】
【現在進行中の発掘現場の見学】 【石積出を実際に登りました かなり急で高いです!】
公園の散策
石積出から徒歩で移動し、御勅使川福祉公園と御勅使南公園の公園散策スタート!
市内でも有数のウォーキングスポットの公園です。この日は天気もよく紅葉もあいまって、気持ちのいい散策になりました。
公園の中にも様々な史跡が残っており、所々で職員の解説を聞きながら進んでいきます。
【散策する参加者のみなさん 紅葉がきれいです!】
枡形堤防~桜本鉄工ウッドデッキ
続いて向かったのが国指定史跡の桝形堤防。現在、公園としての整備真っ只中です。
徳島堰から取り入れた水を南アルプス市六科方面の水田へつなぐ取水口を守るのがこの小さな将棋頭の形をした桝形堤防の役割でした。
【地域の語り部さんや地元企業の方による思い出話を聞く参加者の皆さん】 【整備中の史跡を職員の解説付きで見学】
参加者のみなさんには、実際の整備作業に使われる「ぐり石」と呼ばれる縁石の基礎になるものに、記念にそれぞれ名前を書いていただきました。墨で書いた文字は1000年以上も残るそうです。
【皆さん真剣にぐり石に名前を書いています】 【今日のまちあるきの記念です】
【最後はみんなで記念撮影!】
将棋頭
最後に来たのは、国指定史跡の将棋頭。将棋の駒の形をした堤防で、六科の田畑や集落、さらに野牛島や上高砂地域を守ってきました。
ここでは、史跡整備に協力してもらっているNPO法人や、ここ将棋頭などでお米をつくっている事業者の方のお話をうかがいました。
行政と地域が一体となってその歴史と景観を守っています。
【地域の方の熱い想いを感じました!】 【除草部隊のヤギさん 絶賛お仕事中♪】
良い景観とは何だろう? ~景観について考えよう~
見学の中で、景観とは何なのか、景観を考えるときのポイントなど、参加者の皆さんに身近な景観について考えていただきました。
普段何気なく見ている風景には、実は長い歴史があり、先人たちの苦労や工夫が詰まっていたりします。目に映るもの全てが景観であり、良い景観として維持していくためには、一人一人が景観への意識を持つことが大切です。
春には桃やサクランボの花が咲き夏の青空に秋の紅葉、そして冬の雪を冠した富士山。そんな南アルプス市の景観をぜひ皆さんで守っていきましょう。
かけがえのない なにげない風景
あなたにもできる身近な景観づくり
南アルプス市花壇・生け垣推進に関する補助金交付制度のご紹介
道路沿いに花壇や生け垣があるまちなみは住み人にはもちろんのこと、そこを通る人にも潤いと安らぎを与えてくれます。
南アルプス市では自宅敷地の公道に面した部分に花壇等を新設する方に対して補助金を交付しています。
※補助金の交付には要件があります。詳しい内容はこちらからご確認ください。
終わりに
約1年ぶりのまちあるき。天候にも恵まれ、参加者皆様のご協力のもと、特に大きなトラブルもなく終了することができました。
イベント終了後のアンケートでは、イベント内容について全員の方から「とても良い」と「良い」との回答をいただきました。また、自由意見として「歴史を知ることによって改めて見方が変わった」「知っているつもりの景観も、改めて見ると美しいと感じた」など、好意的な意見をいただきました。この事業をとおして、少しでも自分たちの住むまちに誇りと愛着を感じていただければ幸いです。