梯子自動車の共同運用・共同整備について
南アルプス市消防本部及び峡南広域行政組合消防本部は、複雑多様化する災害に備え、両消防本部圏域内の消防力の充実強化を図り、また、出動頻度に対して整備費用が高額である梯子自動車を両消防本部で共同運用・共同整備することにより財源の効率的な配分を図ることを目的とし、令和4年4月1日から共同運用・共同整備を行うこととなりました。
購入した梯子消防車「25m屈折式梯子付消防自動車」は様々な消火・救助活動に優れた最新の装備を採用しています。
船外機エンジン付きボート
近年、豪雨災害が多く発生し、記憶に新しいところでは、2015年の栃木県 鬼怒川堤防の決壊、2017年の福岡県・大分県をを中心とする豪雨災害などで、多数の死者、行方不明者が発生しています。
市内についても洪水ハザードマップを確認すると、多くの地域が浸水指定区域に指定されており、避難のタイミングを逃すと命を脅かす危険な事態が予想されます。
その様な水災害に対して、いち早く現場に向かい、迅速な救助活動を行うため、船外機エンジン付きのボートを令和3年度に配備しました。
船外機付きボートを運航するには、2級船舶免許が必要となり、当本部では現在8名の職員が免許を所得しました。また、本市には訓練可能な河川・湖が少ないため、市外の湖にて訓練を行うなど、災害に備えています。
高度救急訓練人形
平成3年の救急救命士法制定に伴い、現在南アルプス市消防本部では、26名が救急救命士として活動しています。
近年、救急需要が高まり、救急隊員はより高度な処置が求められるようになりました。こういった背景から、当本部では令和4年度に、より高度なトレーニングが可能となる高度救急訓練人形を導入し、あらゆる現場を想定した訓練が可能となりました。
この訓練人形を活用して、今後更に高まるであろう救急需要に対応し、市民の安全安心確保につながるよう訓練を重ねていきます。
山岳救助等について
南アルプス市の西端には、富士山に次ぐ、日本第2位の高さを誇る「北岳」、第3位の「間ノ岳」といった、日本屈指の3000m級の山々が連なり、シーズンに入ると、県内外はもとより、海外からの登山客も数多く訪れます。
ここ数年は、コロナ禍による行動制限の影響もあり、登山者は少なく、山岳救助も年間数件に留まっていましたが、行動制限が解除されてからは、登山者の増加と比例するかのように、山岳救助等の要請が増えました。
山岳救助等に対応するため、当消防本部では、シーズン前に訓練を行い、知識の再確認、技術の向上に加え、各自「体力・技術・精神力」を培っています。
また山岳救助等は、南アルプス警察署との連携が欠かせないため、定期的に合同訓練を行っています。
インパルス消火銃
インパルス消火銃とは、空気ボンベと消火剤容器(容量約12リットル)が一体となったドイツで開発された個人携行型の消火装備です。当本部では指揮隊に配備し、初期消火に対応しています。
圧縮した空気の力で水の塊(1発 約1リットル)を噴霧状に発射し消火します。水量も少ないため水損防止に優れ、特に車両火災では1~2発で消火することも可能です。
多少の遮へい物があっても、火元に対して霧状の水が的確に到達することができ、消防車がホースを伸ばすより先に消火活動が行えます。
重量約25kg【インパルス消火銃+容器+水】