不当な契約は無効です!
「消費者契約法」を知っていますか?
「消費者契約法」とは?
消費者(個人)と事業者(法人その他団体、個人事業者)の間で締結される契約のことを、消費者契約と言います。
このとき、消費者と事業者では持っている情報の質や量、交渉力に格差があるため、消費者の利益を守るためこの法律ができました。
この法律は、消費者が事業者と交わした契約であれば、あらゆる契約が対象となり、不当な勧誘により締結させたれた契約は、あとから取り消すことができます。
取り消しができる契約、無効となる契約条項
契約の「取消し」と「無効」
契約の「取消し」とは、一度有効に成立した契約を、申し出により取消してはじめからなかったことにするということです。
取り消しができる期限は、
- 不当な勧誘に気が付いた時から:1年
- 契約した時から:5年
どちらか早いほうが期限となります。これを過ぎると取消しの申し出はできなくなるので、十分に注意が必要です。
また、契約の「無効」とは、成立した契約に契約としての効果がないということなので、はじめからなにもないという意味です。これには期限はありません。
取り消しできる契約
取り消しができる契約は、「くらしの情報」に記載されているものの他に、以下のものがあります。
不利益事実の不告示(不利になることを言われなかった)
消費者の利益になると言いながら、重要事項について不利益となる事実を故意に言わずに勧誘すること
例)眺望・日照を阻害する隣接マンションの建設計画があることを知りながら、そのことを説明せずに「眺望・日照良好」と説明してマンションを販売された。
無効となる契約条項
そもそも無効となる契約条項には、以下のものがあります。
事業者は責任を負わないとする条項
損害賠償責任の全部を免除する条項や、事業者の故意または重過失による場合に損害賠償責任の一部を免除する条項
例)「当フィットネスクラブは、会員の施設利用の際に生じた傷害、盗難等の人的・物的ないかなる事故についても一切責任を負いません」とする条項。
消費者はどんな理由でもキャンセルできないとする条項
消費者の解除権を放棄させる条項
例)「販売した商品については、いかなる理由があっても、購入後のキャンセル・返品はできません」とする条項。
成年後見制度を利用すると契約が解除されてしまう条項
事業者に対し、消費者が後見開始等の審判を受けたことのみを理由とする解除権を付与する条項
例)「賃借人が後見開始の審判を受けたときは、賃貸人は直ちに本契約を解除できる」とする条項。(アパート等の賃貸借契約)
※賃借人=消費者、賃貸人=事業者
平均的な損害の額を超えるキャンセル料条項
キャンセル料のうち、契約解除に伴う平均的な損害額を超える部分や、遅延損害金につき年利14.6%を超える部分についての条項
例)「契約後にキャンセルする場合のキャンセル料は次の通りです。挙式日から1年以上前:契約金の80%」とする条項。(結婚式場等の契約)
消費者の利益を一方的に害する条項
任意規定の適用による場合と比べ、消費者の権利を制限し、または義務を加重する条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するもの
例)まつげ美容液の購入時、注文していない目元クリームが同封されていた場合、消費者が目元クリームを継続購入しない旨の電話をしない限り、継続的に購入するとみなす旨の条項。
被害に遭わないために
事業者の努力義務
「消費者契約法」は、私たち消費者を守る法律ではありますが、事業者への努力義務として以下のことを求めています。
- 契約条項を定めるに当たって、その解釈について疑義が生じない明確で平易なものになるよう配慮すること
- 勧誘に際し、契約の目的物の性質に応じ、個々の消費者の知識や経験を考慮した上で、必要な情報を提供すること
消費者の努力義務
それと同時に、私たち消費者にも努力義務として以下のことを求めています。
- 消費者契約を締結するに際し、事業者から提供された情報を活用し、消費者契約の内容について理解すること
参考
消費生活に関するご相談は
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電話 188(局番なし)