
戦争遺跡ロタコは、アジア太平洋戦争末期に御勅使川扇状地上に構築された日本陸軍の秘匿飛行場である。ロタコの遺構は3キロメートル四方、約800ヘクタールの範囲に点在する。建設工事には釜無川西岸域の住民が1日あたり3000人余り動員されたほか、朝鮮半島出身の労働者や当時の小中学生なども動員されている。
ロタコについては、上記のとおりこれまで市教育委員会などによって、分布調査、聴き取り調査、発掘調査などが継続的に実施されてきており、遺跡としての価値付けが高められてきている。戦争に対する人々の記憶が薄れる中、ロタコは、地域住民の過去のある時期に関する「共同の記憶」を象徴するものという意味で大変貴重と考えられる。
指定された、南アルプス市有地に所在する掩体壕は、ロタコを象徴する遺構のひとつであり、発掘調査の結果良好な遺構の遺存状態が確認されている。
なお、指定名称については、これまでの研究史および今後の指定の方向性に鑑み、「ロタコ(御勅使河原飛行場)跡3号掩体壕」こととした。
データ
所在地/南アルプス市飯野4182-2
所有者、管理者/南アルプス市
指定年月日/平成20年4月17日