自然と文化が調和した幸せ創造都市 南アルプス

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この地域の自然、文化を
伝えたい

この地域の自然、文化を伝えたい

3年前に一度取材させていただいた青山智彦さん・晃代さんご夫妻。
現在は当時掲げていた目標を達成し、芦安地区で登山等のアウトドア客向けの宿をオープンしています。

移住して5年目を迎えて

3年前に取材させていただいた際には、智彦さんが地域おこし協力隊に就任し、起業に向けて奮闘する様子を取材させていただきましたが、 2020年についに「南アルプス36~アウトドアの宿 Od-inn~」をオープンされました。移住から5年経っての想いを聞きました。

南アルプス36 ~アウトドアの宿 Od-inn~

南アルプス36 ~アウトドアの宿 Od-inn~

改めて、ここ南アルプス市を選んだのは、どういった理由でしょうか?

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智彦さん:理由は二つあります。一つ目は登山対象の山の麓で起業したかったから。二つ目は子育て環境や生活基盤の一部を自然豊かな場所で築きたかったからです。
都心から近いというのが山梨県を検討地域にした理由です。都心のお客様にとっても気軽に訪れてもらいやすく、家族も都心に出やすいこともあります。買い物等をする場所へのアクセスが不便すぎないことも重視し、地域住民の方の人柄の良さも後押ししました。
そうして選んだのがここ南アルプス市の芦安地域でした。

移住して5年目を迎えて、どのように思っていますか?

智彦さん:やろうとしたことが形にできたので良かったと思っています。
サラリーマンの頃と比べて自分の裁量で決められることが多く、自由を求めてはじめたわけではないのですが、よりストレスの少ない生活に変わってきていると思います。
協力隊の時と比べて収入も上がったので、より安定した生活基盤ができ始めているかなと思います。とはいえ、その分設備投資もしているので、余裕があるわけではないですが(笑)

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自分の裁量でやっていくには責任感や重圧があると思いますが、それでも頑張っていけるのはなぜでしょうか?

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智彦さん:自分のやりたかった事なので、責任感や重圧を感じたことはありません。お腹が減るからご飯を食べるみたいに、お客様が来て楽しんでいただけるからそのためのことを本能的にやっている感覚です(笑)
頑張っていけるのは、自分で一から作り上げていく達成感を実感できるから、実際にお客様にお越しいただき、その上楽しんでいただいている様子を見ると自分のやりがいになるからです。
今はより良いものを作ろうと夢中の日々で、まだまだもっと多くのお客様にお越しいただきたいと思っています。
数ある目標の一つに、サラリーマンを続けていた時より豊かになることがあります。その豊かさは経済的な事だけではなく、精神的な事や人間的な成長など、そのために今自分ができることを少しずつ、でも着実に進めていきたいと思っています。

移住前の生活に比べて

宿を開業して1年。改めて移住前の生活と変わった点について教えてください。

智彦さん:管理されない、時間の使い方の融通がきく、ストレスの少ない生活に変わったと思います。芦安の自然に囲まれて解放的な気分を味わったり、自然の恵に感謝したり、生きる術を修得できる生活になりました。ただその反面、仕事と趣味の境界がなくなりました。
移住前のサラリーマン時代は、山に登ったり走ったり、山菜を採るなど自然の恵を味わう事を趣味としていたのですが、それを毎日の様にやっていると、違う事をしたくなるのが贅沢な悩みです(笑)。今の仕事に直接は関係ない新たな事をはじめたいと思って、茶道とか座禅とかをはじめようかなんて今模索しているところです。いずれ、茶道とか座禅を宿の体験アクティビティにしているかもしれませんが(笑)。

忙しくても何かはしていたいという感じなのですね。

智彦さん:僕は他の人に比べて、動き続けていないと駄目な性分なのだと思います。マグロみたいに動き続けないと死んでしまうみたいな。(笑)

お子様や家族との時間についてはどうですか?

智彦さん:事業を始めたばかりで色々と模索しており、四六時中事業のことばかり考えているので、家族の時間は疎かにしがちです。
宿泊業は土日祝日がメインの仕事なので、幼稚園に通っている娘と休みが合わず、夜にしか時間が取れないので遊びに行きたいのに行けていません。
事業が落ち着いてきたら周りの自然の中で遊んだりしたいですね。

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地域との関わりについて

宿の方でも、地域に溶け込むための努力とかはありましたか?

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智彦さん:ご近所の方には、改修しているタイミングで時々声をかけてもらいました。建築関係に明るい方もいらっしゃったりして色々助言をしていただいたり、私が四苦八苦していた工事を手伝ってくださることもありました。気にかけていただき、激励してもらえたのはうれしかったです。
この芦安地域には、世話好きな方が多いのかなと感じます。移住当初から様子を見に来ていただいたり、野菜をもらったりしています。そんな優しい人達ばかりです。

移住するにあたって、そういったコミュニケーションが取れるのがすごいことですね。

智彦さん:コミュニケーションは大事だなと改めて感じています。閉じこもるより、話せた方が気持ちは楽です。様々な方との繋がりを今後も大切にしていこうと思います。あとは妻と子供がいることで、家族ぐるみのお付き合いも出来て楽しんでいます。

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奥様の地域への溶け込みは?

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智彦さん:子育て支援センターが多く充実しています。そこでママ友ができ、いろいろなところで友達の輪を広げて、この宿を使って焼き芋会をしたり、バーベキュー会、お泊まり会をしたりしています。宿は半分、自分の家みたいになっていますね。(笑)

この地域の良いところについて教えてください。

智彦さん:この場所はやっぱり景色が良い。いつ見ても飽きません。素晴らしい景色は人の心を魅了し、人の心を整えてくれます。もちろん僕もそれを享受しているので、それを多くの人に来てもらって味わってもらいたいと思っています。
例えば、この展望台から周辺を一望できるのですが、降り注ぐ太陽や雨、それらを浴びる木々、畑の野菜達、そこで育った鹿などのジビエ、それらを味わい自然の中に溶け込む感覚を味わう…。さらに、地域の伝統食を食べたりすることで、この土地に古から受け継がれてきた文化にも溶け込むことができます。まだまだ自分が思い描いていることを実現しきれていないし、試行錯誤していますが、今できる楽しみ方を提案し続けていきたいと思います。

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子育てで感じていること

子育てで感じていることを教えてください。

智彦さん:自然に囲まれた暮らしが本来のヒトとしてあるべき暮らしだと思っています。でも子供にはずっとここにいて欲しいということではなく、自分も移住前には都会で暮らし、働いていましたし、逆に一度は都会に出て欲しいと思います。帰ってくる場所として、自然豊かな場所があるのは良いと思っています。小さい頃に自然豊かな場所でのびのびとヒトらしい経験や遊びをすることは大きくなってからも良い結果を生むと考えています。

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今後の展望について

智彦さん:本格オープンして次のシーズンが2年目になります。初年度よりも、さらに使い勝手が良いように改修しました。当初、食事は持ち込みスタイルが基本でしたが、やはり地元の食材、伝統食など、そういったものを楽しんでいただきたいので来シーズンからは提供していきたいです。
私の後任の地域おこし協力隊の方が、この土地の草木で染物や苔テラリウムを作っています。この辺りは谷あいの地域ということもあり、苔がたくさん生えています。その方と協力し、苔テラリウム作りなどのクラフト体験も展開していきます。また、この土地で採れた大豆を使った味噌作りや麓の観光農園での果物狩りなど、それらも広くアウトドアと捉え、ただ泊まるのではなくアウトドアの拠点として使ってもらい、山から麓まで全てをフィールドとした季節に応じた楽しみを味わってもらいたいです。
また、移住や二地域居住を検討している方や自然の中で過ごす時間を増やしたい方向けに、長期で泊まれる施設も必要だと考えており、施設拡張を検討しています。移住を検討するにあたり長期間過ごしてより多くの情報から前向きに検討していただけたらと思います。
様々な方のニーズに合わせられるように、これからも試行錯誤しながら前進していきたいです。
是非南アルプス市にお越し下さい! お待ちしております!

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