自然と文化が調和した幸せ創造都市 南アルプス

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移住者インタビュー

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自然と人を結びたい

自然と人を結びたい

東京都で暮らしていた青山智彦さん・晃代さんご夫妻。
2017年4月、智彦さんが地域おこし協力隊に就任したことを機に芦安地区に越してきました。

移住のきっかけ「夢を実現できる場所へ」

青山智彦さん・晃代さんご夫妻

 

小さい頃から自然が好きで、いずれは山の麓で登山客や一般観光客の方に向けて地域資源を活かした観光宿泊業をやりたいと考えていたんです。
娘を授かったこともあり、移住するにしてもいきなり無職というのはハードルが高い。
お金を得られる方法を見つけつつ、自分のやりたいことができる場所はないかと移住先を探し始めました。
そんな時に「JOIN」のサイト(注1)で、南アルプス市の地域おこし協力隊(注2)募集の記事を見つけたんです。
踏み出すなら今だと思い、応募しました。

(注1)「JOIN」のサイト:移住交流推進機構(JOIN)が運営しているサイト。地方への移住情報などを発信している。
joinサイト:https://www.iju-join.jp/

青山智彦さん

数年前から2人でキャンプをしたりしながら各地を下調べしていました。
最初から山梨県は第1候補でしたね。
観光宿泊業をしたいと思っていましたから、都心から近く自然が多くある事は魅力でした。
自然に囲まれた、いわゆる田舎に泊まりながら、芦安地区ならではの体験を提供したいと思っています。
北岳をはじめとした南アルプスの山々、そこにいる生き物たち。山から流れくる水で行う農業。地区で暮らし続けてきた人達がつないできた、そこにしかない文化。芦安地区のあふれる魅力と人々を結ぶ拠点をつくりたいですね。

晃代さんはご実家も名古屋の近く、その後も東京で暮らしてきました。移住に戸惑いはありましたか?

夫の「山の麓で暮らしたい」という気持ちは以前から聞いていました。話し合いも時間をかけてしましたね。
ただ子どもがもう少し大きくなってからでもいいんじゃないかとは思いました(笑)。
でも私自身、人生は一度きりだし、やってみたいことはやってみないともったいないと思っているんです。
だから好きなことに取り組む夫を応援したい思いもあって、芦安にきました。

青山晃代さん

全く環境の違う芦安への移住。実際住んでみての印象をお聞きしました。

撮影中、青山さんの隣の畑の方と偶然お会いしました。

この家の内見の時から近所の方に「ここに住むの?大歓迎よー」と声をかけていただいたんです。
引っ越してからも、色々教えていただいたり、娘のこともかわいがってくれてます。
みなさん農業をしているので、野菜をいただいたり。
温かく迎えてもらっているなと感じます。

写真:撮影中、青山さんの隣の畑の方と偶然お会いしました。
撮影時には、ご近所からも「何をしてるで?」「その格好で寒くないだけ?」と声をかけられる姿も。地域になじんでいることが伺えます。

地域おこし協力隊として

 

畑での農作業の様子。この大豆は芦安地区の伝統保存食「しょうゆの実」になる。

畑での農作業の様子。この大豆は芦安地区の伝統保存食「しょうゆの実」になる。

 

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地域おこし協力隊の仕事としては農業をしている時間が多いですね。遊休農地を開墾してサトイモやビールの原料となるホップなどの栽培をしています。また、他の隊員とも協力して観光資源になる滝までの道の整備や山々の資源調査をしたり、地域交流のイベントを行ったりしています。
芦安地区で受け継がれている伝統的な保存食「しょうゆの実」の調査研究もしています。シカやサルの被害がなかった昔に多く栽培されていた大豆を復活させて、地域の特産品のひとつにしたいですね。
山などの自然だけでなく、地域ならではの文化・食べ物をアピールして、より多くの人に足を運んでもらって、泊まってもらって、また来てもらうような流れができればいいなと思っています。
地域おこし協力隊は3年という期限があるので、この3年間でこの流れを成功させて、独立したいですね。

右写真:昨年12月に開催した芦安芋煮会。
地域おこし協力隊が栽培したサトイモと手作りのこんにゃく、地域の方からいただいた野菜を入れて作った芋煮、収穫したエゴマを使ったシフォンケーキ、山で採れたクルミを使ったクルミ味噌などを地区のみなさんと。
地域おこし協力隊の取り組みを発表し、活動を知っていただく場にもなった。

昨年12月に開催した芦安芋煮会。

芦安での経験が子どもにとってかけがえのないものになるように

子育て世代の青山さんご夫妻。芦安での子育てについてお聞きしました。

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自分が小さい時に自然の中で過ごした時間を振りかえると、かけがえのないものだったと感じています。
娘はまだ小さいので、自然の中で暮らす良さはわからないと思うけれど、小さい時から自然に触れ合いながら生活するのは必ずいい経験になると思っています。
たぶん大きくなればこんな所は嫌だと思う時期がくるかもしれませんが(笑)。
いずれ、豊かな自然の中に自分の帰れる場所があって良かったと思う時がくると思っています。

ここにきて、空気が良く、お水がおいしいことを実感しています。子どもが成長していく過程では都会よりも自然豊かな芦安の方がいいなと思います。
ただ小さいお子さんをお持ちのお母さんとも話すんですが、午後6時くらいまで未就園児が遊べて、お母さんたちも子どもを見守りながらリラックスできる場所があったらいいですね。
午後4時から午後6時くらいの時間帯に小さい子どもが遊べる場ってなかなかない。
遊ぶといっても自宅だけでは限界がありますし、日中しっかり遊んでいないと、夜寝てくれないお子さんもいますから、そういう場所があるとうれしいですね。

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土を感じ、大地の恵みをもらうという地に足ついた生活を

 

観光宿泊業の拠点を構え、自分で作った作物を提供し、家族の食料も賄いたいですね。娘にも自分の作った作物を食べさせたいですし。土を耕し土を感じ、そこで育った作物などの大地の恵みをもらうという地に足ついた生活をしたいし、訪れた人達にもそのスタイルを体験して欲しいです。今、宿泊施設の候補物件があるのですが、なんとか活用できるように検討しています。

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夢の実現までどのくらいきてますか?

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1年目の今は、うまくいかない事もうまくいっている事もあわせて平均すると、20%くらいかな(笑)。
地域おこし協力隊の任期は3年なので、3年の間で100%を目指したいと思っています。
会社員時代の平日=仕事、休日=休みという生活に違和感を持っていたんです。
趣味を仕事につなげ、日々の生活を楽しみ、自分の提供するサービスで多くの人に喜んでいただけたら嬉しいです。