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移住者インタビュー

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セカンドライフは
地域とともに

セカンドライフは地域とともに

神奈川県から移住して丸2年の青木昇さん、里美さんご夫妻。
共働きで忙しい日々を過ごしてきたお二人は、第2の人生は田舎暮らしをしたいと考えていました。

移住のきっかけ「田舎暮らしへのあこがれ」

南アルプス市 移住者インタビューの様子01

 

「人生の楽園」という番組を知っていますか?あれをみていて「田舎暮らしがいいなあ」と思っていたんですね。
できれば富士山の見える所で暮らしたいと。
インターネットで調べたら、畑と簡易宿泊施設(ラウベ)が借りられるクラインガルテンを見つけたんです。最初は敷島梅の里(甲斐市)に見学に来たんですが、空きがなかった。でもそこで、今度南アルプス市にも施設ができると教えていただいて。
さっそく湯沢のクラインガルテンを見に行ったのですが、今度はカーナビが案内してくれない(笑)。
道に迷って途方に暮れていた私たちに、地元の方が親切に道を教えてくれたんです。
環境もいいし、人もいいところだなあと思いましたね。
湯沢のクラインガルテンは、入居の倍率が高かったんですが、運よく当選しました。
不思議なことに見学の時、既に完成していたラウベを見せていただいたんですが、当選したのがまさにそのラウベだったんですよ。

南アルプス市で暮らしはじめた昇さん。妻の里美さんは仕事の関係もあり、南アルプス市と神奈川県で離れて暮らすことになりました。

富士山が見えて、空が広い

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南アルプス市に来る前、私は家事をしたことがなかったんです。しかも田舎暮らしがしたいなと思っただけで、畑仕事をしたことがなかった(笑)。
でも不安よりも、今までの生活と全く違うことが新鮮だったんです。富士山が見えて、空が広い。鳥や草花。目に入るものが全て新鮮。
クラインガルテンでは、何も知らない私にお世話役さん(注1)が畑仕事を教えてくれましたし、他の入居者の方もみなさん親切に接してくれました。
クラインガルテンの仲間にもお世話役さんにも地域の方にも恵まれたと思います。

(注1)南アルプスクラインガルテンで、各区画を担当する「お世話役農家」さんのこと。お世話役農家は地元農家の方が担っており、地元の気候、土質に合った農作業の仕方や野菜の作り方から野菜を美味しく食べる農家の家庭料理も教えてくれます。

青木さんには入居してこその発見もあったそうです。

作物を育てるための作業の大半は雑草取りなんですよ。
雑草取りを面倒くさいと思う方もいると思いますが、私は最初から全然苦にならなかった。
これは畑仕事に向いているかもしれないと思いましたね。

写真:南アルプスクラインガルテンの簡易宿泊施設(ラウベ)

南アルプスクラインガルテンの簡易宿泊施設(ラウベ)

クラインガルテンの契約期限は5年。4年目を迎えた青木さんご夫妻は次のステップをどうしようか?と考え始めました。

 

物件探しへ

青木さん宅のリビング。奥の引き戸は一枚板でできている

青木さん宅のリビング。奥の引き戸は一枚板でできている。「リフォーム前は汚れで真っ黒だったんですよ」

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南アルプス市の中野地区の知人から「来ればいいじゃない。家はいっぱい空いてるよ」と言われたんです。
じゃあ、探してみようかとなったんですが、なかなか条件に合う物件がない。
この家も最初見た時は「本当に住めるのかな」と不安になりました。
でも地域のみなさんがリフォームを手伝ってくれたんです。
自分たちでできるところは自分たちでやろうと思っていたんですが、障子の貼り方とか手間取っていると、近所の方々が代わる代わる教えに来てくれる。
クラインガルテンでお世話になったお世話役さんが家の近所に住んでいたことも心強かったですね。クラインガルテンで培ってきたものがここに繋がっているんだなと思いました。

天井をはずしたら現れた2階の太い梁。壁の板張りと塗装はご夫婦で仕上げた。
2階の窓からは富士山を望める。
障子の枠には背比べの跡が。家の歴史が伺える。

左:天井をはずしたら現れた2階の太い梁。壁の板張りと塗装はご夫婦で仕上げた。
中央:2階の窓からは富士山を望める。
右:障子の枠には背比べの跡が。家の歴史が伺える。

暮らしをはじめる

青木さん夫婦

青木さんの畑からの眺望。夏には、ここから市内で行われる花火大会を見ることも出来る。まさに特等席。

移住して丸2年。青木さんご夫妻の今を聞いてみました。

高齢で農作業の難しくなった方から畑をお願いされたりして、今は休耕地も含め、5つの畑で作物を作っています。
去年からは近所の農家さんからお誘いいただいてスーバーの一角で栽培した野菜の販売も始めました。
収穫から袋詰め、値段設定も自分たちでするんですよ。
お金を儲けるというより、食べてくれる人がいることが張り合いになっていますね。
神奈川県で喫茶店を営んでいる友人の所にも月に1度野菜を届けています。みんなそこでお茶を飲みながら私たちが来るのを待っていてくれるんですよ。自分が作った野菜を喜んでくれるって、やっぱりうれしいですね。

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畑仕事の経験ゼロから野菜販売までと驚いていると…

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実はクラインガルテンのお世話役にもなったんです。
畑仕事に関してはまだまだですが、移住をしたいと考えている都会の方の気持ちもわかるので、そのフォローは出来るかなと思っています。

精力的に活動する青木さんご夫妻。その原動力は地域にありました。

私たちの住んでいる中野地区は、高齢の方が多いのですが、みなさんお元気なんです。
そして地域を盛り上げていこう、変えていこうという意欲がすごく高い。
そんな活動のひとつに「ふるさとを錦で飾り隊」があるのですが、棚田の休耕地で花を育てたり、景観と合うようにガードレールを白からダークブラウンに塗り直したりと地域活性化に取り組んでいる。
そんな方々に接していると、私たちはまだまだと思いますね。

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昨年、豊作だったあけぼの大豆(左)と中野地区の特産品になればと育てた花豆(右)を見せていただきました。
どうやってとり出すか分からずに鞘から大豆を一粒一粒とりだしていたら、その様子を見た近所の方が「そうじゃない」と棒でたたいて鞘からとり出して見せてくれたんです。
びっくりしましたね。こうやるんだと。
まだまだわからないことも多いですけど、知る驚きと楽しさがあります。
教えてくれる方がいることも有難いですね。

収穫した大豆で味噌を作るという里美さん。
最初は遊びに来たわたしの友人と作っていたんですが、友人が友人を呼んでだんだんと味噌づくりの輪が広がっています。

―移住したい方へのアドバイスをお願いします。

思い立ってすぐに移住というのは、やはり難しいと思います。私たちも「よく思いきって移住したね」と言われるんですが、それはクラインガルテンへの入居から始まって一歩一歩進んできたから。
あとはやっぱりあいさつは大切ですね。