心肺蘇生法
突然の心停止に襲われた傷病者への応急処置をご説明します。
更新日 2010年12月03日
心肺蘇生法の重要性
突然の心停止に襲われた傷病者を救命するために、必要となる行動を「救命の連鎖」といいます。構成されている4つの輪が正しく、素早くつながって、はじめて効果を発揮するので、どれか1つの輪が欠けるだけでも救命が難しくなります。

心臓や呼吸が止まった人の治療はまさに1分1秒を争います。下記の図を見るように、約10分の間に急激に助かる確率が少なくなっています。現在119番通報から救急車が現場に到着するまで全国平均約6分以上かかります。その間何もしなければ、助かる命も助けられないことになります。そこで、そばに居合わせた人による救命手当が重要になるのです。

- 「心肺停止」後、約3分で50パーセント死亡
- 「呼吸停止」後、約10分で50パーセント死亡
- 「多量出血」後、約30分で50パーセント死亡
心肺蘇生法の手順(成人の場合)
- 反応を確認する

傷病者に近づき、耳元で「大丈夫ですか」または「もしもし」と呼びかけながら、傷病者の肩を軽く叩き、反応があるかないかを確認します。 - 助けを呼ぶ

反応がなければ大きな声で、助けを求めます。協力者が来たら、「あなたは119番へ通報してください」、「あなたはAED(自動体外式除細動器)を持ってきてください」と依頼します。 - 気道を確保する

頭側の手を額に当て、足側の手の人差し指と中指の2本を顎先(あごさき)に当て、頭をうしろにのけぞらせ顎先を上げ気道を確保します。 - 呼吸を確認する

「傷病者が正常な呼吸(普段どおりの息)をしているか確認します。」
気道を確保した状態で、自分の顔を傷病者の顔に近づけ、次の手順で10秒以内に呼吸を確認してください。 - 目で胸や腹部の上下運動を見る。
- 耳で呼吸の音を聞く。
- 頬(ほほ)で吐く息を感じます。
- 「呼吸がない」、「普段どおりの呼吸をしていない」場合は、心停止と判断し胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生法を開始します。
- 心停止直後には、しゃくりあげるような、途切れ途切れに起きる呼吸が見られることがあり、この呼吸を「死戦期呼吸(あえぎ呼吸)」といいます。「死戦期呼吸」は普段どおりの呼吸ではありません。
- 人工呼吸を行う

呼吸がなければ、ロ対ロの人工呼吸を開始します。気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差指で傷病者の鼻をつまみます。ロを大きく開け傷病者のロを覆い、空気が漏れないようにして息を1回約1秒かけて傷病者の胸が持ち上がる程度吹き込み、いったん口を離し同じ要領でもう1回吹き込みます。 - 1回の吹き込みで胸が上がらなかった場合には、もう一度気道確保をやり直し吹き込みを試みますが、うまく胸が上がらなかった場合でも、吹き込みは2回までとし、胸骨圧迫を実施します。
- 「傷病者の顔面に出血がある場合」や、「感染防護具を持っていない」等により口対口人工呼吸がためらわれる場合には、「人工呼吸を省略する」という判断をされても結構です。その場合は胸骨圧迫だけでも、是非行なってください。
- 胸骨圧迫を行なう

人工呼吸が終わったならば、直ちに胸骨圧迫を行ないます。圧迫の位置は胸の真ん中を、重ねた両手(手の付け根の部分)で肘をまっすぐに伸ばし体重をかけ、垂直に「強く・早く・絶え間なく」傷病者の胸が4~5センチメートル沈む程度圧迫します。 - 1分間に100回の速いリズムで、30回連続して圧迫します。
- 圧迫を緩めるときは胸がしっかり戻るまで十分に圧迫を解除します。
- 心肺蘇生法を続ける

30回の胸骨圧迫と2回の人工呼吸を繰り返し行います。 - 救助者が2名いる場合は、約2分間(胸骨圧迫30回/人工呼吸2回を5回繰り返す)程度を目安として交代することが大切です。
- 心肺蘇生は救急隊に引き継ぐか、傷病者に何らかの反応(うめき声を出したり、 普段どおりの呼吸、嫌がる等の仕草)が現れるまで続けます。
AED(自動体外式除細動器)の使い方
- 成人(8歳以上)には成人用パッドを貼ります。(小児用パッドは絶対貼らない)
- 小児(1歳以上8歳未満)には小児用パッドを貼りますが、小児用パッドがない場合は成人用パッドを貼ってもかまいません。
- 1歳未満の乳児にはAEDは使用できません。
- AEDが到着したら

AEDを傷病者の頭の横(救助者側)に置きます。本体をケースから取り出すか、ふたをあけます。 - AEDの電源を入れる

AEDの電源を入れます。(機種によっては、ふたを開けると自動的に電源の入る機種もあります)
その後は音声メッセージとランプに従って操作します。 - 電極パッドを貼る
傷病者の衣服を取り除き、胸をはだけます。胸部に何もないこと(胸毛・ネックレス・ペースメーカー・濡れている等)を確認します。その後、電極パッドの袋を開封し、電極パッドのシールをはがした粘着面を傷病者の胸部にすき間を作らないようしっかり貼り付けます。(電極パッドを貼り付ける位置は、電極パッドに絵で示されています。)
成人用パッドの貼り方

小児用パッドの貼り方 - 電極パッドのコネクターをAED本体に差し込む

機種によっては電極パッドを貼り付けた後、パッドのコネクターをAED本体の差込口(点滅している所)に差し込みます。 - 傷病者から離れる

電極パッドを貼り付けると、「体に触れないでください」などと音声メッセージが流れ、自動的に心電図の解析が始まります。傷病者から離れるようにとの音声メッセージが流れたら「みんな離れて!」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認します。
- AEDの音声メッセージに従う

AEDが電気ショックを加える必要があると判断すると、「ショックが必要です」と音声メッセージが流れ、自動的に充電(数秒かかります)が始まります。充電が完了後、周囲に「ショックします。みんな離れて」と注意を促し、ショックボタンを押します。ショック後は、AEDから「直ちに胸骨圧迫を開始してください」等の音声メッセージが流れますのでパッドを付けたままで、直ぐに心肺蘇生を開始します。- AEDの電極パットは、救急隊に引き継ぐまで傷病者の胸からはがさず、電源も入れたままにしてください。
- 反応はないが呼吸をしている場合

反応はないが正常な呼吸(普段どおりの呼吸)がある場合や、何らかの反応(うめき声を出したり、嫌がる等の仕草)が現れたら、心肺蘇生を中止し、傷病者を注意深く観察しながら救急隊の到着を待ちます。必要なら傷病者を横向き(回復体位)にして観察を続けます。【回復体位】
下顎を前に出し、上側の手の甲に傷病者の顔をのせます。さらに、上側の膝を約90度曲げて、傷病者が後ろに倒れないようにします。
各種AEDの使用法については、次のPDFファイルをご確認ください。




